米国の蒸留酒販売、消費者需要の鈍化で10月下旬に2.5%減
祝日前の週次売上の持ち直しも、ウイスキーとウォッカの減少を補えず、成長はテキーラとノンアルコール蒸留酒に限られた
2026年11月3日(火)
NielsenIQが発表した「October 2026 Spirits Pulse」レポートによると、10月24日までの4週間、米国の蒸留酒販売は引き続き圧力を受けた。ハロウィーンや年末の集まりが増える時期を前に、週次売上は持ち直したものの、全体の低迷は続いた。
NIQによると、カクテル調製品を除く蒸留酒全体の金額ベースの売上は前年同期比2.5%減、販売数量は2.4%減だった。同社は、消費者需要の鈍化と経済環境全般の悪化が主な要因で、減少分の88%を占めるとした。
一方、小売業者が季節需要の最も高まる時期の一つに近づくなか、売上は前週比で改善した。NIQによると、直近の週の蒸留酒売上は5億2,160万ドルで、前週比1.7%増となった。レポートは、この増加について、ハロウィーンや年末の集まりに伴う季節的な購買の表れと説明した。
主要な蒸留酒カテゴリーの結果はまちまちだった。ウイスキーは市場全体を上回る落ち込みとなり、金額ベースの売上は4.8%減、販売数量は5.3%減だった。ウォッカの落ち込みは比較的小幅だったが、金額ベースの売上は1.2%減、販売数量は1.9%減と、引き続きマイナスだった。
テキーラは、依然として成長を示した数少ない主要カテゴリーの一つだった。NIQによると、テキーラの金額ベースの売上は0.6%増、販売数量は5.1%増となった。ノンアルコール蒸留酒はレポート内で最も高い伸びを示し、金額ベースの売上は20.4%増、販売数量は22.0%増と、従来型の蒸留酒カテゴリーを上回る成長が続いた。
NIQによると、その他の蒸留酒カテゴリーを合わせた売上は金額ベースで2.5%減、販売数量で3.5%減となった。このグループにはブランデー、コニャック、リキュール、ジン、グレーンアルコール、ラムが含まれる。市場全体に成長が広がるのではなく、伸びが少数のカテゴリーに限られていたことがうかがえる。
メーカー別では、Diageoが金額ベースの売上で引き続き首位だったが、NIQによると売上は6.5%減、ケース販売数は74,800ケース減少した。2位のSazeracは大手供給業者のなかでも特に好調で、金額ベースの売上は5.8%増、ケース販売数は54,100ケース増だった。3位のBacardiは、金額ベースの売上が2.7%増、ケース販売数が5,400ケース増となった。
Tito’s Handmade VodkaのメーカーであるFifth Generationは、メーカー別の金額ベースの売上で4位となり、売上は6.6%増、ケース販売数は18,900ケース増加した。Suntory Global Spiritsは5位で、金額ベースの売上が6.4%減、ケース販売数が43,800ケース減となった。
金額ベースの売上成長率によるメーカーランキングでは、Sazeracが首位で、Fifth Generation、Bacardiが続いた。4位のConstellationは、金額ベースの売上が21.5%増、ケース販売数が6,400ケース増だった。5位のFrederick Wildmanは売上が33.4%増となった一方、ケース販売数の増加は194ケースと比較的小幅だった。
ブランド別では、Tito’s Vodkaが金額ベースの売上で首位を維持し、上位ブランドのなかで数少ない成長を記録した。NIQによると、Tito’sの売上は4.8%増、ケース販売数は13,900ケース増だった。2位のCrown Royalは、金額ベースの売上が9.7%減、ケース販売数が21,000ケース減となった。
3位のJack Daniel’sは、金額ベースの売上が8.2%減、ケース販売数が20,900ケース減だった。4位のDon Julioは売上が5.4%減、ケース販売数が4,100ケース減。5位のFireball Whiskeyは売上が7.1%減、ケース販売数が25,900ケース減となった。
金額ベースの成長率では、レポートに掲載された主要ブランドのうちW.L. Wellerが首位で、売上は105.1%増、ケース販売数は8,600ケース増だった。Cazadoresが売上56.0%増、ケース販売数24,300ケース増で続いた。Tito’s Vodkaは3位、Lunazul Tequilaは4位で、売上が17.0%増、ケース販売数が11,800ケース増となった。5位のSvedkaは、売上が16.0%増、ケース販売数が32,100ケース増だった。
NIQのデータは、蒸留酒市場が全体として縮小を続けているものの、その動きは一様ではないことを示している。10月24日までの対象期間には、ウイスキーやウォッカなど主要カテゴリーの弱含みが続く一方、テキーラとノンアルコール蒸留酒では消費者需要が続いた。また、大きな伸びの一部は市場全体ではなく、少数のブランドや供給業者に集中していた。