ドイツの酒類業界団体、スパークリングワインと蒸留酒の増税案に反対
業界団体は、増税で価格上昇や需要減少を招き、約22万5,000人の雇用を支える外食・飲食業に負担がかかる恐れがあると指摘する
2026年10月30日(金)

ドイツのワイン、スパークリングワイン、蒸留酒の業界団体は、スパークリングワインと蒸留酒を対象とする増税案に反対している。需要を損ない、価格を押し上げ、外食・飲食業の一部に打撃を与える一方で、連邦政府が見込む税収増にはつながらない可能性があると主張する。
10月29日(木)、ドイツ・ワイン・スパークリングワイン・蒸留酒連盟(BWS)は、連邦政府が2027年度予算の健全化に向けて検討している酒税およびスパークリングワイン税の引き上げ案に反対すると表明した。
この表明は、ドイツで議会審議が進むなか、一部の州政府が反対の姿勢を示している時期に行われた。BWSによると、業界は連邦参議院(各州を代表する上院)で支持を得ており、ヘッセン州とラインラント=プファルツ州などが連邦政府の増税案に反対を表明した。
BWSはまた、連邦議会予算委員会で2027年度予算関連法案について開かれた公聴会にも言及した。そこでは、政府が予測する規模の追加税収を実際に確保できるのか、疑問が呈されたという。
同連盟は、酒税の引き上げによって消費者価格が上昇し、需要が減少すれば、政府が期待する増収の一部が相殺される可能性があると述べた。影響は、中堅企業が大半を占める業界全体に加え、レストランやバー、消費者にも及ぶと警告している。
BWSによると、飲料を主力とする外食・飲食事業だけで年間約96億ユーロの売上高を生み、約22万5,000人の雇用を支えている。同連盟は、すでに厳しい経済環境で事業を続ける企業にとって、新たな税負担が投資を難しくしかねないと主張した。
この問題が単なる税制論議にとどまらないのは、ドイツが欧州の主要な酒類市場の一つだからだ。スパークリングワインと蒸留酒の増税は、国内生産者や輸入業者に加え、レストラン、バーなどの飲食店での販売に依存する事業者にも影響を及ぼす可能性がある。ドイツ市場への依存度が高い供給業者を含め、酒類業界の各社が影響を注視するとみられる。
BWSは公衆衛生の観点からも政策に異議を唱えた。同連盟は、特定の商品カテゴリーを対象とする一律の増税が、有害な飲酒を減らす有効な手段だと示す根拠はないと述べている。その代わりに、予防策、若者の保護、一般への啓発を支持するとした。
同連盟は、法案の議会審議が続くなか、増税案を撤回するよう求めた。予算目標の達成を目指す連邦政府に対し、州政府や影響を受ける業界から、提案がもたらす経済的な影響の広がりを懸念する声が上がっており、今回の発言はその圧力に拍車をかけている。
BWSの今回の表明は、スパークリングワインと蒸留酒への増税が財政を強化するのか、それともすでに厳しい状況にあると訴える酒類・外食業界への負担をさらに重くするのかを議員が検討するなか、法案をめぐる攻防が続く可能性を示している。