英国の飲食店向け酒類販売、10月初旬は横ばい スピリッツが16.3%減

NIQによると、ビールとサイダーの伸びはワインの再びの落ち込みを補えず、管理運営型の飲食店での販売額は前年並みとなった

2026年10月24日(土)

シェアする

英国の飲食店向け酒類販売、10月初旬は横ばい スピリッツが16.3%減

NIQの最新データによると、英国の酒類市場は10月、低調な滑り出しとなった。管理運営型の飲食店での総販売額は前年とほぼ変わらず、ビールとサイダーの伸びが、再び振るわなかったワインとスピリッツに相殺された。

市場調査会社のNIQは、Daily Drinks Trackerで、10月10日と17日に終わる各週の販売額が横ばいだったと発表した。月初のパブ、バー、レストラン全般で需要が低調だったことを示している。ただし、カテゴリーごとの動きは一様ではない。ビールは両週とも増加し、サイダーも伸びたが、ワインとスピリッツが再び減少したため、市場全体を押し上げるには至らなかった。

NIQによると、ワインの販売額は前年同期比で、10月10日に終わる週に6.3%減、17日に終わる週に3.2%減となった。スピリッツはさらに大きく落ち込み、最初の週に16.3%減、次の週に13.2%減を記録した。

この数字からは、チェーン主導の飲食店では、全体の来店客数や支出が低調ななかでも、飲酒の機会が引き続き低価格帯や、より馴染みのあるカテゴリーへ移っていることがうかがえる。ビールの底堅さが市場を下支えした一方、スピリッツの大幅な減少とワインの続落により、酒類販売全体は成長に転じなかった。

NIQの追跡調査は、管理運営型の店舗における消費者の動向をほぼリアルタイムで把握できるため、英国の飲食業界で広く注目されている。パブ運営会社やレストラン事業者、酒類サプライヤーにとって、今回の数字は、秋の取引シーズンが始まるなか、カテゴリーごとに動きが異なる兆しを示すものだ。この差が続けば、特に業務用市場のワインやスピリッツについて、仕入れや在庫水準、商品構成の見直しにつながる可能性がある。

飲食店向けチャネルは、生産者や流通業者にも影響する需要の変化を早期に示すことが多いため、こうした動向は酒類業界全体にとって重要だ。ビールの最近の勢いはビールメーカーの追い風となる一方、ワイン販売業者やスピリッツ企業は、価格設定や販促、商品構成の変更を通じて販売数量を維持する圧力に再び直面する可能性がある。事業者も、販売が振るわないカテゴリーに割く棚やメニューのスペースを見直すことが考えられる。

今回のデータが対象とする時期は、夏の終わりの需要が秋まで続くかどうかを見極めるうえで、通常注目される。ところが、NIQの最新の発表が示すのは、カテゴリー間の差が鮮明になるなかで迎えた10月の静かな滑り出しだ。ビールとサイダーが一定の下支えとなったものの、消費者のワインとスピリッツへの支出意欲は、前年より弱かったようだ。

業界各社にとっては、見出しとなる市場全体の横ばいより、カテゴリー間の明暗のほうが重要かもしれない。市場全体が安定していても、特にスピリッツのような利益率の高いカテゴリーでは、収益が落ち込んでいる可能性がある。その影響は、秋の取引シーズンの今後に向けた発注、販促計画、サプライヤーとの交渉に及びうる。事業者は、ワインとスピリッツの低迷が一時的なものか、需要の長期的な変化の一部なのかを判断するため、より明確な兆候を探ることになる。

この記事を気に入りましたか?シェアしましょう。

Cookie

サイトの運営、利用状況の分析、外部コンテンツの提供にCookieやその他の技術を使用しています。任意のCookieを許可、拒否、または設定できます。

Cookie ポリシー