Inter Rhône、コート・デュ・ローヌ赤ワインの生産継続に必要な基準価格を€171に設定

任意の基準価格は営業収支均衡をヘクトリットル当たり€132とし、有機生産者が投資やブドウ畑の更新を賄うには€193が必要とする

2026年11月3日(火)

シェアする

Inter Rhôneは、コート・デュ・ローヌの赤ワイン市場で、収支を合わせるだけの水準と、ブドウ畑を営み続けるのに十分な収入を確保できる水準との差を数値で示した。2026/27年の販売年度について、ローヌ渓谷の業界団体は、従来型のコート・デュ・ローヌ赤ワインが費用を賄い、営業収支を均衡させるために必要と考える水準として、ヘクトリットル当たり€132の任意基準を設定した。さらに、事業の継続や投資、ブドウ畑の更新を支える水準として、ヘクトリットル当たり€171の基準を設けた。両者の差はヘクトリットル当たり€39となる。

この数値は、フランス国内で地域アペラシオンであるコート・デュ・ローヌの赤ワインを販売する際の、ブドウ生産者とワイン商との価格交渉に適用される。生産者と流通・取引業者の双方を代表し、ローヌ渓谷のワイン産地全体をカバーする業際団体Inter Rhôneが公表した。

L’Écho du Mardiが11月2日(月)に報じた情報によると、フランスの高環境価値認証(HVE)を取得した赤ワインにも、ヘクトリットル当たり€132と€171という同じ2つの基準が適用される。この数値は、Inter Rhôneが10月9日に発表した内容を受け、Agraも先に報じていた。

有機栽培によるコート・デュ・ローヌ赤ワインの基準は、これより高い。Inter Rhôneは収支均衡の水準をヘクトリットル当たり€148、事業を継続しながら投資とブドウ畑の更新も可能にする水準を€193とした。有機ワインでは、2つの基準の差はヘクトリットル当たり€45となる。

この基準が重要なのは、価格交渉で混同されがちな2つの異なる考え方を分けて示しているためだ。1つは、農家やワイナリーが費用を賄い、短期的に事業を続けられる水準。もう1つは、ブドウの植え替えや、事業の存続に必要な投資など、長期的なニーズにも資金を充てられる水準だ。

Inter Rhôneの基準は、公式な価格規制ではない。最低価格でも最高価格でもなく、成立した市場取引の記録でもない。また、前年比の値上がりを示すものでもない。2026/27年の販売年度に向けた交渉で、生産者とワイン商が共通の目安として使えるよう設けられた任意の指標だ。

フランスの複数のワイン産地で、生産者の収入や商業マージンをめぐる緊張が目立つようになるなか、この区別は重要だ。Inter Rhôneは2つの異なる基準価格を公表することで、目先の損失を防ぐには十分な価格でも、長期的な事業継続に必要な水準には届かない場合があると事実上示している。

従来型ワインとHVE認証ワインの数値は、Inter Rhôneの見解では、生産者はヘクトリットル当たり€132で営業収支を均衡させられる一方、投資や更新の余地を確保するには、約29.5%高い€171が必要であることを示す。有機赤ワインでは、収支均衡の基準である€148から事業継続の基準である€193への上昇幅は、約30.4%となる。

Inter Rhôneは、これらの数値を市場に対する拘束力のある条件として提示していない。商業環境が厳しいなか、生産者とワイン商が価格に合意しなければならない産地で、交渉の参考とすることが目的だ。また、従来型ワインやHVE認証ワインの基準を、収支均衡の水準と再投資の水準の両方で上回っており、有機生産に伴うコスト構造の高さも浮き彫りにしている。

コート・デュ・ローヌは、ローヌ渓谷のアペラシオン体系の地域的な基盤であり、フランスを代表するワインカテゴリーの1つだ。規模が大きいため、このセグメントで公表される参考価格は、特定の契約にとどまらない影響力を持つ可能性がある。とりわけ、業界の生産者側と取引側の双方を代表する団体が示す場合は、その影響が大きい。

Agraによると、この数値はすでに10月9日に発表されていた。つまり、11月初旬の報道で新たな基準が導入されたのではなく、業界内ですでに知られていた基準について説明が広がったことになる。それでも報道は、数値の背後にある中心的なメッセージに注目を集めた。ローヌ産赤ワインでは、事業を当面存続させるのに必要な価格と、その将来を確かなものにする価格は同じではない。

この記事を気に入りましたか?シェアしましょう。