10月17日までの4週間、米国のビール販売額は3.3%減
NIQによると、販売量は5.0%減少。休暇シーズンを前に、消費者の関心低下がカテゴリー全体の減少の76%を占めた
2026年10月28日(水)

NIQの「2026年10月 Beer Pulse」レポートによると、10月17日までの4週間も米国のビール販売は減少が続いた。小売業者が休暇シーズンに向けて準備を進めるなか、消費者需要の低迷が引き続きカテゴリー全体の重荷となっている。
NIQによると、この期間のビールの金額ベースの売上は3.3%減、販売量は5.0%減だった。ビール全体を対象とし、フレーバードモルト飲料とハードセルツァーを除く同レポートでは、消費者の関心低下が減少分の76%を占めた。流通の縮小による影響はさらに22%を占めており、売上を押し下げる主な要因は、棚での入手しやすさよりも需要の低下であることが示された。
同レポートの週次データでも、さらに落ち込みが見られた。直近週のビール販売額は8億5,600万ドルで、前週の8億7,650万ドルから2.3%減少した。NIQによると、年末の集まりや販促に向けて勢いを取り戻そうとするなか、消費量の減少がカテゴリーの足かせとなっている。
ビールの主要セグメントは引き続き低迷したが、一部では前回の集計より減少幅が縮小した。主要セグメントのうち最も大きく落ち込んだのはDomestic Premiumで、金額ベースの売上は7.3%減、販売量は8.4%減だった。クラフトビールも低調で、金額ベースの売上は4.9%減、販売量は6.5%減となった。
国内市場の大半に比べて底堅さを保ってきた輸入ビールも減少したが、そのペースは緩やかだった。NIQによると、輸入ビールの金額ベースの売上は1.6%減、販売量は3.2%減。これまで成長していたDomestic Super Premiumはほぼ横ばいとなり、金額ベースの売上は0.4%増えた一方、販売量は0.1%減少した。
レポートで最も好調だったのは、従来型ビールに代わる選択肢を求める消費者を引きつけ続けているカテゴリーだった。サイダーの販売は伸び、金額ベースで5.4%増、ケース数で3.9%増となった。ノンアルコールビールも勢いを増し、金額ベースの売上は7.3%増、販売量は6.4%増と、ビール市場全体で数少ない明確な成長傾向の一つをさらに伸ばした。
メーカー別では、Anheuser-Buschが販売額で引き続き首位を保ったものの、売上は3.8%減、ケース販売量は250万ケース減少した。Constellationは2位を維持し、金額ベースの売上は0.2%減、ケース販売量は35万1,000ケース減だった。Molson Coors Beverage Co.は3位で、金額ベースの売上は5.5%減、販売量は180万ケース減。Heineken USAは4位となり、金額ベースの売上が8.3%減少し、39万6,200ケースを失った。
上位5社のなかで目立ったのはNew Belgium Brewingで、増収を記録した唯一のメーカーだった。NIQによると、同社の金額ベースの売上は6.8%増え、ケース販売量は5万8,400ケース増加した。金額ベースの売上で見た成長率上位メーカーの別ランキングでは、Sapporo Breweries Ltd.(15.6%増)、Asahi Beer USA(25.3%増)、Athletic Brewing Co.(1.4%増)も挙げられた。Schilling Ciderもケース数の伸びを基準に同グループに入ったが、NIQの概要では同社の金額ベースの売上成長率は示されていない。
ブランド別では、Modeloが0.8%減、ケース数も31万2,100ケース減となったものの、金額ベースの売上で首位を維持した。Budweiserは2位だったが、上位5ブランドで最大の落ち込みとなり、金額ベースの売上は9.2%減、ケース販売量は190万ケース減だった。Michelobは3位で、金額ベースの売上が3.3%増、ケース販売量が27万6,600ケース増と、成長した数少ない主要ブランドの一つとなった。
販売額上位5ブランドのうち、残るCoronaとCoorsはいずれも減少した。Coronaは金額ベースの売上が4.8%減、販売量は44万1,100ケース減。Coorsは金額ベースの売上が3.5%減少し、56万5,900ケースを失った。
レポートで最も高いブランド成長率を記録したのはPacificoで、金額ベースの売上は22.7%増、ケース販売量は32万2,200ケース増加した。金額ベースの成長率ではMichelobも上位に入り、続いてNew Belgium(売上7.8%増)、Victoria(15.7%増)、Angry Orchard(12.0%増)となった。レポートに並んだ好調ブランドからは、10月17日までビールカテゴリー全体が低迷するなかでも、輸入ビール、サイダー、ノンアルコールビールの一部ブランドが消費支出を集め続ける一方、主力セグメントの多くが後退したことがうかがえる。