カンパリ、2026年の関税コスト見通しを2,000万ユーロに引き下げ
9月までのオーガニック成長率は1.5%。販売見通しを据え置いたカンパリだが、ドイツが引き続き業績を圧迫している。
2026年10月23日(金)

カンパリ・グループは、2026年1~9月期の事業は底堅く推移したと発表した。主要市場で需要が安定し、関税コストが想定を下回ったことが支えとなった一方、消費支出の低迷や小売業者による取扱停止をめぐる問題がドイツでの業績を押し下げた。
最新の中間報告で、イタリアの酒類メーカーである同社は、9月末までのオーガニック売上高が1.5%増加したと発表した。主力市場の成長と、同社の主要なアペリティフブランドに対する継続的な需要が成長を支えたという。このカテゴリーは長年、同社の最も安定した成長源の一つとなっている。
経営陣は、通期のオーガニック売上高成長率を約3%とする予想を据え置いた。また、関税による負担は当初の想定より小さくなるとの見通しを示した。影響額は従来予想の3,000万ユーロから約2,000万ユーロに減るとみており、営業利益には一定の追い風となる。一方、米ドルを中心とした為替のマイナス影響や、Cinzano、Avernaなどのブランド売却を含む計画的なポートフォリオ変更が、報告ベースの業績を引き続き圧迫していると説明した。
報告で最も明確に苦戦が示されたのはドイツだった。景気の弱さと小売業者主導の混乱により、同市場は欧州の他地域に後れを取った。カンパリによると、上半期の欧州オーガニック成長率は1.9%だったが、ドイツを除くと2.9%に上昇した。ドイツが地域全体の業績を大きく押し下げたことが分かる。
同社はこの差の大部分について、大手小売パートナーによる取扱停止の継続と、慎重な消費者需要が原因だとした。2026年初め、ドイツのスーパーマーケット大手Edekaは、国際レベルでの価格設定や取引条件をめぐる対立を受け、Aperolを含む同社製品を品ぞろえから外した。カンパリによると、対立と同社の強硬な価格方針により、年初から9カ月間の売上高は約800万ユーロ押し下げられた。2026年通年の影響額は約1,100万ユーロに達すると見込んでいる。
ドイツは欧州最大級の食品小売市場であり、輸入酒類やアペリティフの重要な販売先でもあるため、この対立は投資家や業界関係者の注目を集めている。Edekaほどの規模を持つ小売業者による取扱停止は、特にリピート購入が重要な食料品店の販売チャネルで、店頭での視認性や販売数量、ブランドの勢いにすぐさま影響を及ぼしかねない。
カンパリの説明は、今年のドイツが抱えるより広範な問題も反映している。家計を取り巻く経済状況にばらつきがあり、消費者が支出を引き続き慎重に見極めるなか、消費者心理は低迷したままだ。飲料メーカーにとっては、販売数量への圧力だけでなく、値上げを転嫁する難しさにもつながり得る。小売業者が仕入れコストの上昇に抵抗するスーパーマーケットでは、特にその傾向が強い。
こうした状況下でも、カンパリはドイツ事業の一部に強さが見られると指摘した。Crodinoが好調だったとし、ノンアルコールや低アルコール飲料が新たな機会となっていることを示唆した。また、利便性や外食チャネルを狙った新しい提供形態の導入初期の動きとして、Campari Spritz ready to serveやAperol on Tapを挙げた。
これらの商品は、ドイツで最も目立った混乱に直面している従来型の店頭販売以外で、売上拡大を図る幅広い取り組みの一環だ。同社は、バーやレストランなど家庭外で飲食する施設を指す業務用市場に引き続き注力し、ドイツ、オーストリア、スイスを含むDACH地域全体の回復を支援するとしている。
今回の発表からは、事業の多くの分野で主力ブランドへの需要が保たれている一方、短期的な業績では地域ごとの販売実行力や市場固有の状況がより大きな役割を果たしていることがうかがえる。ドイツと欧州の他地域との対照は、報告の重要なシグナルの一つだった。ドイツの不振がなければ、グループの地域全体の基調はより力強く見えていたことを示しているためだ。
カンパリは全体の成長目標を変更しなかった。経営陣は、他市場での好調な業績と関税コストの減少が、ドイツや為替変動、ポートフォリオ調整による圧力を相殺できるとみている。関税コスト見通しの引き下げはとりわけ重要だ。消費財大手各社が貿易環境の変動や需要のばらつきに引き続き直面するなか、利益率を守る余地が広がるためだ。
それでも中間期の数値を見ると、小売業者との関係が改善するか、外食・新業態チャネルの伸びが加速しない限り、ドイツは年末まで業績の重荷となりそうだ。当面、カンパリは主力のアペリティフ製品群や新たな提供形態、Crodinoなど一部カテゴリーの好調を頼りに、2026年の欧州事業で最も厳しい市場の一つとなったドイツでの事業運営を続ける。