100ドル以上の高級スピリッツ市場、2025年に10%縮小

中国が25%減と落ち込む一方、関税をめぐる不透明感のなか、買い手は価格に見合う価値の確かな裏付けを求めている

2026年10月23日(金)

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100ドル以上の高級スピリッツ市場、2025年に10%縮小

IWSR(酒類市場のデータ・分析を提供する調査会社)の新たな調査によると、消費者心理の弱まりや貿易摩擦、地政学的不安定を背景に、買い手がより慎重に選ぶようになり、世界の高級スピリッツ市場は2025年も縮小した。

IWSRによると、白酒を除く世界のステータス・スピリッツ市場は、2025年に金額ベースで10%減少し、2年連続の縮小となった。同調査では、ステータス・スピリッツを、世界の加重平均小売価格が1本あたり100ドル以上の商品と定義している。

報告書によると、景気の下押し圧力が高級品への支出を引き続き抑えるなか、2025年に発効し始めた米国の関税が不透明感に拍車をかけ、落ち込みにつながった。IWSRはまた、イランをめぐる紛争によって不安定感が一段と強まり、支出がさらに抑制されたと指摘した。

最も大きく落ち込んだのは、長年プレミアム酒類の主要市場の一つだった中国だ。IWSRによると、中国のステータス・スピリッツ市場は2025年、金額ベースで25%減少した。米国は6%減、免税販売は3%減となり、同社は中国と比べて底堅い結果と評価した。調査によると、従来の高級品市場の中心地から需要の一部が移ったことで、規模が小さく成熟度の低い市場のシェアが拡大した。

カテゴリー別の業績にも大きな差が見られた。報告書によると、コニャックは主に中国での不振を受け、金額ベースで17%減少した。スコッチは9%減となったものの、ステータス・スピリッツ市場全体に占めるシェアを維持した。アガベスピリッツは2%増と唯一の成長カテゴリーとなり、日本のウイスキーもトラベルリテールや比較的新しい市場で好調な分野が見られた。

IWSRでステータス・スピリッツを担当するシニア・インサイト・マネジャーのガイ・ウルフ氏は、市場の縮小は富裕層の消費者がこのカテゴリーから離れたことを意味しないと述べた。むしろ買い手は要求水準を高め、高価格に見合うことを示す明確な根拠をより重視するようになったという。

「買い手はステータス・スピリッツから離れているのではなく、選択眼を高めているのです」とウルフ氏は報告書で述べた。「市場の最上位でも、『賢く使う』ことは妥協ではなく、美徳になっています」

IWSRによると、この変化は、100ドル以上のボトルを販売しようとする生産者やブランドオーナーにとって、何が有効かを変えつつある。同調査は2026年の買い手の行動に見られる大きな傾向を4つ挙げており、いずれもイメージだけでなく、真偽の確認や透明性、直接的なアクセスを重視している。

最も明確な変化の一つは、報告書が「人為的な希少性」と呼ぶものへの懐疑が強まっていることだ。IWSRによると、主にマーケティング目的で作られた限定品にプレミアム価格を払うことに消費者は消極的になり、本物の希少性や高い酒質、明確な来歴を示せるボトルをより評価している。こうした傾向を受け、プライベートカスクや特注商品など、模倣が難しく真偽を確かめやすい商品の需要が支えられている。

報告書は、希少商品の需要が続いている例として、サザビーズの「Distillers One of One」チャリティー・ウイスキー・オークションを挙げた。一度限りのボトリングで構成される同オークションは、より広い市場が軟調だったなか、昨年39ロットで計310万ドルを集め、予想を上回った。

もう一つの傾向は、熟成年数表示の重要性が再び高まっていることだ。IWSRによると、価格に敏感な買い手は、ステータス・スピリッツの価格帯でも、信頼できる具体的な品質の目安を求めている。こうした状況では、熟成年数は理解しやすく、独占性に関する幅広い訴求よりも確認しやすいため、重要な指標となっている。

調査によると、この傾向はスコッチに表れている。過去2年間で、熟成年数を表示しないステータス・スコッチの新商品数は減少する一方、18年以下の熟成年数を表示した商品の発売は大幅に増えた。同時に、より熟成したウイスキーの原酒が確保できるようになり、市場の最上位に位置する蒸留所は、長期熟成品の常設ラインアップを拡充している。

ウルフ氏は、この傾向を伝統回帰そのものと捉えるべきではないと述べた。希少性をめぐる主張に買い手が慎重になり、支出先をより注意深く選ぶ市場で、確かな根拠が求められていることの表れだという。

調査はまた、ボトルそのものと同じくらい、体験が重要になっていると指摘した。ステータス・スピリッツの買い手は、蒸留所への訪問やテイスティング、カスクオーナーのネットワーク、オークションやプライベートイベントを軸にした同好の人々のコミュニティへの参加を、ますます求めている。IWSRによると、生産者が実物の商品を超えて提供内容を広げており、この市場は今、イノベーションが最も急速に進む分野の一つとなっている。

この傾向は、より広範な高級品消費の変化にも合致する。消費者は商品だけへの支出には慎重になる一方、アクセスやつながり、コミュニティには支出を惜しまないことが多い。スピリッツブランドにとっては、販売が単なる小売店での取引にとどまらず、生産者との関係づくりを含むようになっている。

調査によると、買い手層も多様化している。ウルフ氏は、特にアジアでミレニアル世代やZ世代の消費者からの関心が高まっていると、ブランドオーナーが報告していると述べた。また、東南アジア、中南米、中東では、新たに富裕層となった買い手の層が広がっているという。

こうした買い手層の変化は、従来のウイスキー生産大国以外の生産者が存在感を高める一因となっている。IWSRによると、ステータス・ウイスキーはもはやスコットランド、米国、アイルランド、日本だけで定義されるものではない。インド、台湾、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル、デンマークの生産者も、歴史あるウイスキー産地のような長い伝統を持たないながら、100ドルを超えるボトルを販売する力を高めている。

報告書によると、こうしたブランドはプレミアム価格を正当化するため、さまざまな手法を用いている。気候や熟成にまつわる地域密着型のストーリー、固有のカスクの使用、国際コンペティションでの評価や受賞、厳格に管理された希少性などが挙げられる。IWSRはパッケージにも変化が見られ、地域の素材やデザイン、職人技を取り入れ、ブランドの個性や産地を強調する例が増えているとした。

ウルフ氏は、これも買い手が第三者によって検証できる要素に反応している例だと述べた。何世紀にもわたる歴史を持たない市場では、生産者は受賞歴や製造の詳細、実在する土地に根差したストーリーを、より積極的に訴求している。

調査によると、2026年の生産者にとって最大の課題は、単に高級なイメージを維持することではなく、厳しい市場環境のなかで、消費者が高価格を払う明確な理由を示すことだ。この圧力はあらゆる価格帯に及び、可処分所得の減少を受けて低価格帯に移る買い手から、支出意欲は保ちながらも購入前により多くの根拠を求める富裕層まで、幅広く影響している。

IWSRの調査結果は、高級スピリッツ市場への関心はなお続いているものの、需要にはより多くの条件が伴うようになっていることを示している。生産者にとっては、ボトルの価格や評判だけでは、特に支出が鈍り、消費者が購入前に商品をより慎重に比較する市場では、十分でなくなっている可能性がある。

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