旅行者向けワイン販売、2025年は金額ベースで5%増

IWSRによると、トラベルリテールは多くの国内酒類市場を上回り、ワインは数量ベースで2%増。スティルワインが伸びを牽引した

2026年11月3日(火)

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Wine Meridianが11月2日(月)に報じたIWSRの分析によると、酒類市場全体が依然として厳しい状況にあるなか、世界のトラベルリテールではワインの存在感が高まっている。2025年の旅行者向けワイン販売は数量ベースで2%、金額ベースで5%増加した。免税店をはじめとする旅行者向け店舗が、多くの国内酒類市場を上回る好調さを示していることがうかがえる。

報告書によると、2025年の世界のトラベルリテールにおけるワインとスピリッツの合計販売数量は5%増加した。伸びを牽引したのはスピリッツで、数量は6%、金額は7%増。一方、ワインの伸びはそれより緩やかながら、プラスを維持した。酒類メーカーにとって重要なのは、この販売チャネルが国内需要の弱さを補い、成熟または減速する国内市場への依存を軽減する可能性を示している点だ。

Wine Meridianが伝えたIWSRの調査結果によると、調査対象となった主要4地域すべてで、2025年のトラベルリテールは金額ベースで成長した。欧州、アフリカ・中東はいずれも11%増、南北アメリカは7%増、アジア太平洋は2%増だった。この数字からは、トラベルリテールが各地域で拡大しているものの、そのペースは一様ではなく、メーカーがこのチャネルを単一の均質な市場と捉えることはできないと分かる。

最も勢いがあったのはスピリッツ、とりわけウイスキーだった。IWSRによると、ウイスキーはこのチャネルの成長を引き続き牽引し、金額ベースで12%増加した。スコッチとアメリカンウイスキーはいずれも10%増、アイリッシュウイスキーは11%増、日本のウイスキーは金額ベースで44%、数量ベースで37%の大幅増となった。Wine Meridianによると、IWSRは日本のウイスキーの急伸について、文化的な魅力、旅行者の好奇心、そしてプレミアムセグメントでの消費意欲と結び付けている。

この傾向はワインにも影響を及ぼす。報告書によると、トラベルリテールは単なる販売拠点ではなく、旅行者が個性やプレミアム感、物語性や土地とのつながりを感じられる商品を探す場所になりつつある。その環境では、広く知られているというだけでは、もはや成長につながらない可能性がある。

それでもワインは2025年をプラス成長で終えた。Wine Meridianは、トラベルリテールにおけるワインカテゴリー全体の成長を、スティルワインが主に支えたと報じた。また、ライトアペリティフも大きく伸び、数量ベースで16%、金額ベースで25%増加した。こうした伸びは、かしこまった場面よりも気軽な飲用に適した、軽やかで柔軟な飲み方を求める旅行者がいることを示している。

スパークリングワインの動向は一様ではなかった。シャンパーニュは販売数量が減少したものの金額は増加し、高価格帯商品の購入が販売を下支えしたことを示している。一方、プロセッコは数量、金額ともに減少した。IWSRは、このデータがトラベルリテールにおける「プロセッコ疲れ」の兆候を反映している可能性を指摘した。数年にわたって市場で大きな存在感を示しても、すべての販売チャネルで成長が続くとは限らないことを示す動きだ。

ただし、トラベルリテールでのプロセッコの不振は、イタリア産スパークリングワイン市場全体の動向を示すものではないようだ。Wine Meridianは、IWSRの別のデータとして、米国におけるイタリア産スパークリングワインの販売数量が2018年から2023年にかけて年平均成長率(CAGR)5%を記録し、2023年から2028年にかけてはさらに年平均4%の成長が予測されていると伝えた。この対照的な動きは、トラベルリテール市場の核心を浮き彫りにする。ブランドの認知度や親しみやすさは強みになり得るが、旅行者が短時間で何百本ものワインから選ぶ環境では、それだけで成長が保証されるわけではない。

Wine Meridianによると、今回の調査結果はイタリアのワイン生産者にとって機会と課題の両方を示している。世界の酒類市場の多くが勢いを失うなか、なお成長を続ける販売チャネルであることが機会だ。一方で、イタリアの原産地呼称制度やブドウ品種、地域ごとの違いを知らない可能性がある海外旅行者に、伝わりやすい形でワインを提示することが課題となる。

報告書は、産地、呼称、ブドウ品種、家族の歴史、景観、サステナビリティ、希少性といった要素も、明快で分かりやすいメッセージに落とし込めば、トラベルリテールで実際の販売訴求力になり得ると指摘した。生産者は棚での存在感や価格だけでなく、空港などの旅行拠点で商品をどう説明し、位置付けるかにも一層目を向ける必要がある。

Wine Meridianはさらに、IWSRが2026年2月に公表した戦略分析を引用し、トラベルリテール市場が2034年までに金額ベースで42億ドル、9リットルケース換算で100億ケースの成長を遂げると予測したと伝えた。一方、報告書によれば、世界の複数地域では同チャネルの販売数量の伸びが旅客数の回復に依然として追いついていない。旅行者が増えても、酒類の購入がそれに比例して増えるとは限らないことを示している。

トラベルリテールにおける価格帯の動向も変化しているようだ。報告書によると、IWSRは「上質化には上限がある」と指摘している。2025年、世界のトラベルリテールではスーパープレミアムセグメントが数量ベースで10%成長した一方、ウルトラプレミアムとプレステージのカテゴリーは縮小した。消費者にはより高価格帯の商品を選ぶ意欲があるものの、その範囲には限りがあることを示唆している。ワイン生産者にとっては、個性や格上感がありながらも、旅行者が妥当と考える支出額を大きく超えない商品に、最も強い需要が集まる可能性がある。

2025年のデータが示す全体的な結論は、トラベルリテールが酒類業界のなかでも比較的底堅い分野である一方、成長にはカテゴリーや価格帯によるばらつきがあるということだ。ワインもその成長に加わっているが、伸びはスピリッツより小さい。消費者の習慣の変化、より軽やかな飲用機会への需要、そして国際色豊かな競争環境のなかで目を引く商品の重視が、成長を左右している。

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