Diageo、英国とアイルランドで四半期のビール販売が減少
アフリカとドイツ、オーストリア、スイスでGuinnessが2桁成長し、他地域のビール販売を下支えした
2026年11月6日(金)

Diageoは11月5日木曜日、7~9月期にグレートブリテンとアイルランドでビール事業が縮小した一方、Guinnessはアフリカとドイツ語圏のドイツ、オーストリア、スイスで2桁成長を記録したと発表した。
英国の酒類大手Diageoは四半期取引報告で、グレートブリテンとアイルランドにおけるビールのオーガニック純売上高が、2025年の同じ四半期と比べて1桁台前半の減少となったと明らかにした。同社は同じ発表で、アフリカとドイツ、オーストリア、スイスを合わせた市場の双方で、Guinnessが2桁成長したと述べた。欧州、中東、アフリカ全体では、ビールの純売上高が1桁台前半の伸びとなったという。
この数字は、Diageoの主要ビールブランドの一つをめぐる状況が分かれていることを示している。Guinnessは従来の基盤を超えて事業を拡大している一方、同社の報告では、ビール事業全体が縮小した二つの中核市場で逆風が見られた。この違いは重要だ。グレートブリテンとアイルランドでの減少はDiageoのビール販売全体を指すのに対し、アフリカとドイツ、オーストリア、スイスでの力強い伸びはGuinnessに限ったものだからだ。
Diageoは今回の報告で、各市場の売上額、利益、ビール販売量を開示しなかった。発表では具体的な増減率ではなく伸び率の区分が示されており、数値は未監査だ。そのため、何ヘクトリットルが販売されたのか、また売上高の変化が主に販売量、価格、商品構成のどれによるものかは分からない。
この実績が重要なのは、Guinnessの売上が今なお少数の主要市場に大きく依存しているためだ。Diageoによると、2024年にはグレートブリテン、アイルランド、米国の3市場が、Guinnessの世界小売売上高の金額ベースで54%を占めた。こうした集中度を踏まえると、他地域でブランドが急成長していても、本拠地および近隣市場での低迷は大きな意味を持つ。
Diageoは世界のビール醸造業界で大きな存在感を持つが、ビールは酒類事業全体の一部にすぎない。BarthHaasによると、同社は2025年のビール生産量で世界12位にランクされ、生産量は2,442万ヘクトリットルだった。Guinnessは同社で最もよく知られるビールブランドであり、ポートフォリオのなかでも特に知名度が高い。そのため、地域ごとの需要変化は一層注目される。
今回の報告からは、流通網やブランド構築への投資を進めてきた市場で、Guinnessが引き続き支持を広げていることがうかがえる。アフリカは長年にわたり同ブランドの成長をけん引する主要地域の一つで、ナイジェリアやガーナなどでは確立した市場基盤を持つ。ドイツ、オーストリア、スイスでの2桁増も、欧州大陸部で勢いが続いていることを示す。同地域では、パブや小売チェーンへの展開に加え、新たな消費機会の開拓を進めている。
一方、グレートブリテンとアイルランドでの減少は、海外での成長だけでは成熟市場の逆風を完全に補えないことを示している。Diageoは同地域のビール販売が落ち込んだ理由を明らかにしておらず、消費支出、価格設定、競争環境についての詳しい説明もなかった。売上高や販売量の具体的なデータがないため、ブランド全体にどの程度広がる弱さだったのか、あるいはGuinness自体もこれらの市場で低調だったのかは判断できない。
地域全体では、より明るい結果となった。欧州、中東、アフリカ全体でビールが1桁台前半の成長を記録したとするDiageoの発表は、グレートブリテンとアイルランド以外の市場での拡大が、地域全体のビール事業を成長させるのに十分だったことを示している。ただし、この結果は四半期の業績にばらつきがあったことも浮き彫りにした。特定地域でのGuinnessの力強い成長が、同社の伝統的な基盤の重要市場での低迷を補ったのであり、地域全体で一様に勢いがあったわけではない。
同社がオーガニック純売上高の動向のみを報告したため、価格と実際の消費量のどちらが業績を左右したのかも不明のままだ。オーガニック売上高は買収、事業売却、為替変動の影響を除いた数値で、事業の実績を比較するうえで有用だ。しかし、売上高や販売量の実数がないため、投資家やアナリストは、グレートブリテン、アイルランド、アフリカ、ドイツ語圏でビールの需要が実際の数量ベースでどの程度変化したのかを把握できない。