Bacardi、2027年から米11市場で蒸留酒の流通をReyesに委託
米国の卸売網見直しで、Southern Glazer’sは36州でBacardiの販売を継続
2026年10月29日(木)

Bacardiは10月28日水曜日、Southern Glazer’s Wine & SpiritsおよびReyes Beverage Groupと米国での新たな販売契約を締結したと発表した。これにより、2027年1月1日から、同社の蒸留酒ポートフォリオを全米の幅広い小売業者に届ける体制が再編される。
新たな契約に基づき、Reyesはアリゾナ、カリフォルニア、コロラド、コロンビア特別区、フロリダ、ハワイ、ルイジアナ、メリーランド、オクラホマ、サウスカロライナ、テキサスの11市場でBacardi製品を流通させる。Bacardiによると、Reyesが同社のポートフォリオを取り扱うのは今回が初めてとなる。Southern Glazer’sは、イリノイ、ミシガン、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルベニア、バージニアを含む36州で、引き続きBacardiの販売代理店またはブローカーを務める。
フロリダ州コーラルゲーブルズに本社を置くBacardiは、今回の変更は米国の販売体制を包括的に見直した結果だと説明した。新体制によって対象市場の価格設定、人員配置、小売業者との契約が変わるかどうかについて、同社は明らかにしていない。契約が2027年初めに発効するまでの数カ月間、移行を円滑に進めるため、同社のチームと販売会社が連携するとしている。
米国では、流通に関する決定が大手酒類ブランドの商品を酒販店、食料品チェーン、バー、レストランにどれほど迅速かつ広範に届けられるかに直接影響するため、今回の動きは重要だ。飲料業界では、生産者は州ごとの卸売業者を通じて、厳格な規制下にある流通システムで商品を動かしている。そのため、販売会社の担当範囲が変われば、単一の契約を超えて販売戦略や市場での影響力が変わる可能性がある。今回の決定により、カリフォルニア、フロリダ、テキサスなど国内有数の蒸留酒市場でReyesの役割が拡大する一方、残る大半の州ではSouthern Glazer’sの広範な事業基盤が維持される。
Bacardi U.S.A.は、Bacardíラム、Patrónテキーラ、Grey Gooseウォッカ、Dewar’sブレンデッド・スコッチ・ウイスキー、Bombay Sapphireジン、Cazadoresテキーラ、Angel’s Envyウイスキー、St-Germainリキュールなど、多数の蒸留酒ブランドを輸入・販売している。これらの多くは全国規模で大量に販売されるブランドであることから、新たな契約は、ワインや蒸留酒の複数カテゴリーで事業を展開する小売業者、サプライヤー、競合販売会社から注目されるとみられる。
Bacardiは発表の中で、今回の変更を長期的な成長に向けた決定と位置づけ、既存のパートナーシップを基盤に主要市場での実行力を高めたいと述べた。Bacardi North Americaの地域プレジデント、Tony Lathamは、Southern Glazer’sとReyesの双方を、長期的な事業計画を共有する戦略的パートナーと見ていると語った。またBacardiは、米国での事業拡大に対するSouthern Glazer’sの貢献は引き続き大きく、Reyesを販売網に加えることで今後の成長に向けた新たな機会が生まれるとした。
北米最大級の酒類販売会社であるSouthern Glazer’sは、引き続き担当する36市場でBacardiの事業拡大を続ける方針を示した。同社の社長兼最高経営責任者(CEO)、Wayne E. Chaplinは、Southern Glazer’sはBacardiと10年以上にわたって取引しており、今後も米国で販売量ベース最大のBacardi販売会社であり続けると述べた。Southern Glazer’sによると、同社は米国内47市場とカナダで事業を展開し、ラテンアメリカとカリブ海地域の一部ではブローカー業務も手掛けている。また、2027年に全事業でSouthern Glazer’s Beverage Companyの名称を採用するという。
Reyes Beverage Groupは、Bacardiから11の主要市場における戦略的パートナーに選ばれたと発表し、この契約を飲料流通事業の拡大の一環と位置づけた。Reyesの最高経営責任者(CEO)、Tom Dayは、Bacardiのポートフォリオを大規模に取り扱う体制が整っており、今回の契約は同社の販売・物流ネットワークが評価されたものだと語った。Reyesによると、同社は54拠点で9,300人超を雇用し、全米11万5,000超の小売取引先に年間3億2,000万ケース超を納入している。同社の流通事業ではすでに、カリフォルニア、フロリダ、ハワイ、イリノイ、インディアナ、メリーランド、ミシガン、サウスカロライナ、テネシー、テキサス、バージニア、ワシントンD.C.でビールおよび蒸留酒ブランドを取り扱っている。
今回の契約により、歴史的にビールとの結びつきが強く、蒸留酒分野での存在感を高めてきた販売網にBacardiが加わる。特に、配送ルートの密度や棚へのアクセスがサプライヤーの実績を左右する大都市圏や郊外市場では、幅広い酒類を少数の卸売パートナーから調達したい小売業者にとって、Reyesの立場が強まる可能性がある。
Southern Glazer’sにとって新体制は、複数の主要市場を手放す一方で、大半の州ではBacardiを引き続き自社の販売網にとどめるものとなる。Bacardiにとっては、国内の大部分で従来の体制を維持しつつ、販売量の多い一部地域で実行体制を変更する狙いがあるとみられる。同社は、移行期間中も顧客と消費者に従来と同じ水準のサービスを提供すると述べた。