ペルノ・リカール、ハイブリッド債で15億ユーロを調達
ペルノ・リカールは良好な市場環境を背景に永久債2本を発行し、既発債の買い戻しを支えると発表した
2026年10月23日(金)

ペルノ・リカールは木曜日、ユーロ建てハイブリッド債15億ユーロの発行を完了したと発表した。同社は、フランスの酒類大手にとって市場環境が良好で、投資家からの需要も強かったことを受けたとしている。
パリに本社を置く同社は10月22日、規制関連の発表で取引条件を公表した。発行は各7億5,000万ユーロの2本に分けて行われた。いずれも満期日のない永久債で、弁済順位が大幅に劣後する固定金利リセット型債券だ。こうしたハイブリッド型の資金調達手段は、多くの投資家や格付け機関から、負債と資本の両方の性格を持つものとみなされている。
一方は、当初5.25年間は繰り上げ償還できない永久債で、クーポンは5.625%。もう一方は、当初8年間は繰り上げ償還できない永久債で、クーポンは6.125%となった。この非コール条項により、債券の発行条件に定められた限定的な例外を除き、ペルノ・リカールはそれぞれの当初コール日より前に債券を償還できない。両債券の受渡日は2026年10月28日。
同社は、投資家の反応を受けて、これらのクーポン水準で債券の価格を決定できたと説明した。また、支配権の変更に関するトリガー水準は、当初5.25年間コール不可の債券が5.75%、当初8年間コール不可の債券が6.25%だと明らかにした。
ペルノ・リカールによると、発行で得た純収入は一般事業目的に充て、その中には既発債7シリーズを対象に同時に実施する公開買い付けの資金も含まれる。対象債の満期は、2027年9月、2027年10月、2028年11月、2030年4月、2030年11月、2032年3月、2032年11月。ハイブリッド債の発行と既存債務の買い戻しを組み合わせたこの取引は、同社が負債を管理し、資金調達の期間を長期化する狙いがあるとみられる。
同社によると、今回の債券は適格投資家向けに販売された。ペルノ・リカールはまた、新債券のユーロネクスト・パリへの上場を申請する予定だと述べた。
今回の発行は、同社がシニア長期債務について投資適格格付けを維持する一方、発表で挙げられた大手格付け機関2社はいずれも見通しをネガティブとしている中で行われた。Moody’sはペルノ・リカールのシニア長期債務をBaa1、見通しをネガティブと評価。S&P Global RatingsはBBB+とし、こちらも見通しをネガティブとした。今回発行したハイブリッド債については、Moody’sがBaa3、S&PがBBB-と格付けした。これは、企業の資本構成においてハイブリッド債の弁済順位がより低いことを反映している。
ハイブリッド債は、直ちに株式を発行せずにバランスシートの柔軟性を高められるため、欧州の大企業がしばしば活用する。通常、清算時の弁済順位はシニア債より低く、その追加リスクと永久債としての性格を補うため、一般にクーポンは高めに設定される。発行体にとっては、既存債務の借り換えや、資金需要が膨らむ局面での信用指標の維持に役立つ場合がある。
ペルノ・リカールは米国で公募を実施せず、発表資料によると、適用除外がない限り、今回の債券は米国証券法に基づく登録を受けておらず、今後も登録されない。同社はまた、この文書をカナダまたは日本で直接・間接に配布してはならないとし、ほかの法域でも配布が制限される可能性があると指摘した。
今回の取引により、世界最大級のワイン・スピリッツ企業の一社である同社に新たな資金が加わる。欧州の大手発行体の多くが債券市場を選択的に利用し続ける中での調達となった。ペルノ・リカールにとって、この取引はまとまった資金を確保すると同時に、満期前に既発債の一部を買い戻す別途の取り組みを支えるものとなる。
ペルノ・リカールは、Absolut、Ricard、Ballantine’s、Chivas Regal、Royal Salute、The Glenlivet、Jameson、Martell、Havana Club、Beefeater、Malibu、Mumm、Perrier-Jouëtなど、世界各地のスピリッツやシャンパンの幅広いブランドを展開している。同社が発表した2026年度の連結売上高は94億400万ユーロ。株式はユーロネクストでティッカーRIとして取引されており、フランスのCAC 40指数の構成銘柄でもある。