BrewDog、パブ約2,000店の取引喪失を受け英国営業チームを倍増
Tilrayは英国のパブでBrewDogの取り扱いを再開するため、最大1,000樽を無償提供する。
2026年10月13日(火)

The Sunday Timesが同社の営業担当取締役の話として報じたところによると、BrewDogは英国のフィールド営業チームを倍増させた。今年前半にTilrayが事業の一部を買収する前に、約2,000店の店舗で取り扱いがなくなったことを受け、パブやバーとの取引を取り戻そうとしている。
報道によると、Tilrayは3月に同社の一部資産を買収して以降、BrewDogの現場営業体制を拡充した。ビールブランドにとって重要な販売経路である外食・酒販市場での地位を立て直すため、パブのタップやバーでの取り扱いが小売店の棚と同じくらい重要となる会場に、最大1,000樽を無償提供する取り組みも進めている。
失った店舗数は、BrewDogがパブで直面する課題の大きさを示している。約2,000店で取り扱いを失ったことは、バーやクラフトビール業界全体でブランドを築いてきた同社にとって、流通網の大幅な縮小を意味する。今回の営業強化は、パブの運営者との直接的な接点を増やし、タップでの取り扱い再開を促す特典を提供することで、落ち込みを反転させる狙いとみられる。
Tilrayは米証券取引委員会(SEC)への届出で、3月にBrewDogの一部資産を3,300万ポンドで買収したと明らかにした。この金額は最新の報道より前に公表されており、今月新たに行われた取引を示すものではない。The Sunday Timesの報道で新たに伝えられたのは、フィールド営業チームを倍増させたことと、買収前に約2,000店のパブで取り扱いを失っていたという点だ。
TilrayとBrewDogは、現在の営業担当者数、取引を取り戻したパブの数、これまでにキャンペーンを通じて提供したビールの量を公表していない。こうした数字がなければ、回復率を算出したり、BrewDogが業務用流通網をどれほどの速さで立て直しているかを測ったりすることはできない。
競争の激しいパブ市場では、新たな銘柄の採用や、以前取り扱っていた銘柄の復活を促すため、醸造会社が値引きや試験販売分、設備支援を提供することは珍しくない。BrewDogの場合、今回の販促はパブでのブランドの存在感が大きく弱まった時期を経て実施される。提供の価値は明らかにされておらず、無償の樽を各店舗にどのように割り当てるのか、また提供期間についても詳細は公表されていない。
今回の取り組みは、英国の醸造会社が、パブや外食産業にとって厳しい事業環境のなか、限られたバーのスペースを争っている時期に行われる。コスト上昇、消費支出への圧力、大手醸造会社や地元の小規模生産者との激しい競争により、タップでの取り扱い枠をめぐる争いは厳しさを増している。一度取り扱いを失ったブランドが復帰するには、営業体制の強化に加え、パブ経営者や運営会社への金銭的な誘因が必要になることもある。
BrewDogは英国のクラフトビールを代表する知名度の高いブランドの一つであり続けているが、約2,000店のパブとの取引を失ったことは、企業が経営難や所有者の変更を経験すると、流通網がいかに急速に損なわれるかを示している。こうした関係の再構築には通常、時間がかかる。パブ運営会社、独立系パブの経営者、卸売業者は、知名度だけでなく、販売実績や安定供給、利益率も基準にブランドを見直すためだ。
The Sunday Timesの報道には、Tilrayによる買収後のBrewDogの売上高、生産量、販売数量に関する最新の数字は含まれていなかった。また、取り扱いを失ったパブのうち、フリーハウス、直営店、大手チェーン傘下の店舗がそれぞれ何店だったのかも明らかにされていない。この区別は重要だ。全国規模のパブ運営会社との取引を取り戻せば一度に多くの店舗で取り扱いが復活する一方、独立系店舗の回復は通常、一件ずつ進むためである。
今回の動きから明らかなのは、BrewDogの新オーナーが現場の人員を増やし、無償在庫を活用してブランドをパブ市場に戻す取り組みを加速させていることだ。現時点では、以前に失った流通網の規模のほうが、回復の進み具合よりも把握しやすい。