英国規制当局、BrewDogの£19.95の「飲み放題」ビール広告を禁止
当局は、90分間の無制限ビールを訴求したFacebook投稿が過度な飲酒を助長し、そのうち1件はアルコールが気分を変えると示唆していたと指摘した。
2026年9月17日(木)

英国の広告基準協議会(ASA)は、BrewDogに対し、2本のFacebook広告を再掲載しないよう命じた。『飲み放題』ビールのプロモーションが過度な飲酒を促し、うち1件はアルコールが人の気分に影響を与えうると示唆していたと判断したためだ。
この裁定は、BrewDogとして営業するTilray Brands UK Ltdに適用され、2026年7月に確認された、イングランドで£19.95で90分間ビール飲み放題を訴求する2本の有料ソーシャルメディア投稿が対象となった。
1本目の広告では、本文に「BOTTOMLESS BEER ALERT! 今週末、イングランドでたった£19.95で、90分間の新鮮なビール飲み放題を祝おう!参加する人は?」とあった。動画では、ビールを1杯ずつ飲む男性2人の下に「When bottomless beers start to hit you」というキャプションが表示され、その後、さらに12杯のアルコール飲料が画面上で素早く連続表示された。
2本目の広告でも同じプロモーション文が使われた。動画では、「you」と表示された女性がビールグラスに向かって走っており、飲み物の上には「Unlimited beers for 90 mins under £20」と表示されていた。
ASAは2点を調査した。1本目の広告がアルコールに治療効果がある、あるいは気分を変えると示唆していたか、また両広告が過度の飲酒を示唆・容認・助長して社会的責任を欠いていたかを検討し、いずれの苦情も認めた。
英国のCAPコードでは、アルコールが気分、行動、身体状態を変えうると示唆してはならず、危険な飲酒や過度な飲酒を促してもならない。ASAは、消費者は「start to hit you」という表現を、アルコールの酩酊作用が効き始めることへの言及として受け取る可能性が高いと述べた。
規制当局は、1本目の動画の見せ方にも言及した。2人の男性は飲む前は無表情に見えたが、その後はより満足そうに見えたとし、その文脈では広告がアルコールによって人の気分や状態が変わることを示唆していると判断した。これはCAPコード18.7条に違反するとされた。
過度な飲酒の問題について、当局は、両広告とも、固定された90分の枠内で好きなだけ飲めると消費者に思わせる形でオファーを提示していたと指摘した。1本目では、男性たちが飲んでいる場面の直後に、12杯の追加アルコール飲料が素早く表示された。BrewDogは、この連続表示はプロモーションに含まれるビールのスタイルの幅を示す意図だったと説明したが、ASAは広告自体からはそれが明確ではないとした。『bottomless』や『unlimited』といった表現が繰り返し使われていることから、視聴者はこの連続表示を、オファー中に消費できるアルコールの量を示しているものと受け取る可能性が高いと当局は述べた。
2本目の広告についても、ASAは同様の結論に達した。笑顔の女性がビールに向かって走る映像と、期間限定のプロモーションという性質が組み合わさることで、90分の時間を最大限に活用するためにできるだけ早く飲み始めたいという切迫感が伝わるとした。裁定によれば、スローモーション効果と劇的なサウンドトラックがその印象をさらに強めていた。
こうした理由から、当局は両広告が、過度の飲酒をこのプロモーションを利用する望ましい方法として提示していたと述べた。そのうえで、社会的責任を欠き、賢明でない飲酒スタイルを示唆しており、CAPコード18.1および18.10に違反すると判断した。
BrewDogはこの判断に異議を唱えた。同社は、「When bottomless beers start to hit you」という一文は、プロモーションに結びつけたユーモラスなSNS上の表現であり、アルコールが自信、幸福感、社交面での成功、あるいは精神的・身体的能力を高めるという主張ではないと述べた。
BrewDogはまた、「bottomless」「unlimited」「90 minutes」という語は、定額のホスピタリティ向けオファーを説明しているだけで、消費者に大量飲酒を促すものではないと主張した。1本目については、ビールの連続表示は量ではなく種類の多さを示す意図だったとした。2本目については、女性がパイントに向かって走る場面は、取引への熱意を表したジョークであり、過度の飲酒を促すメッセージではないと説明した。さらにBrewDogは、広告には酩酊、速い飲酒、または飲みすぎに関連する行動は描かれていないと付け加えた。
それでも同社はASAに対し、社内プロセスを見直したと伝えた。裁定によると、BrewDogは審査手続きを厳格化し、アルコール広告を公開する前に法務チームを関与させ、公開中のアルコール関連広告を見直し、CAPコードに関する指針と研修を拡充し、地域のマーケティングチーム向けガイダンスを更新し、地域のソーシャルメディア活動への監督を強化する方針だ。
ASAの措置により、2本の広告は審査対象となった形式では再掲載できなくなる。また同庁は同社に対し、今後のアルコール広告が社会的責任を備え、過度の消費を促さず、アルコールが気分、身体状態、行動を変えうるものとして描かないよう求めた。
今回の決定は、飲料業界全体で注目を集める可能性が高い。規制当局が、価格訴求型かつ時間限定のアルコールプロモーションを非常に厳しく精査していることを示しており、特に広告が「unlimited」のような言葉を使ったり、迅速な大量飲酒を促していると受け取られかねない映像と組み合わせたりした場合はなおさらだ。ビール、ワイン、スピリッツのマーケターにとって、この裁定は、発売前にCAPコードとの整合性を確認する必要性を一段と高める可能性がある。特に、販促表現が過剰摂取を促しているように見えたり、アルコールが感情面や回復効果をもたらすかのように示したりする場合だ。