
世界有数のワイン生産国であるアルゼンチンでは、白ワインのシェア拡大が続く一方、9月のワイン市場は縮小し、消費者需要の変化が示された。
Los Andesが引用したアルゼンチン国立ブドウ栽培研究所のデータによると、2026年9月に同国で市場に出たワインは707,145ヘクトリットルで、前年同月比4.7%減だった。内訳を見ると、白ワインの販売は8%増加した一方、赤ワインとロゼワインは9.3%減少した。年初来の市場全体では0.2%減となっている。
データからは、市場全体が弱含むなかで、その構成が変化していることが分かる。赤ワインは依然としてアルゼンチンの中核カテゴリーだが、総販売量が圧迫されるなか、白ワインが伸びている。この動向は、需要が単に縮小しているのではなく、異なるスタイルへ移っていることを示唆するため、業界全体の注目を集めている。
報告によると、国内最大のワイン生産州であるメンドーサでは、全国的な減少傾向にもかかわらず、2026年の出荷は安定している。この相対的な安定は、メンドーサを市場全体とは異なる動きに位置づけるとともに、アルゼンチンのワイン産業における同州の存在感を示している。情報源はメンドーサの出荷量を個別には公表していないが、全国の販売が軟化するなかでも同州の出荷水準は維持されているとした。
Los Andesによると、業界の専門家は、白ワインの伸びについて、より爽やかで穏やかな味わいへの消費者の関心に加え、暖かい季節や食前酒と結びついた飲用機会が背景にあるとみている。また、現地の栽培条件に適応した白ブドウ品種の幅広さも、この分野の拡大を後押ししているという。こうした要因が重なり、従来主流だった赤ワインに対して白ワインが存在感を高めている。
ワイナリーやブドウ栽培農家にとって、今回の数字は生産計画や在庫、販売戦略を見直す必要性を改めて示している。アルゼンチンで白ワイン需要が増加すれば、品種構成、容器、販促、流通に関する判断にも影響が及ぶ可能性がある。特に、これまで赤ワインへの依存度が高かった生産者はその影響を受けやすい。小売業者、卸売業者、飲食店が大規模な国内市場で変化する消費傾向に合わせて品ぞろえを調整するなか、飲料業界全体にとっても、この変化は有用な指標となる。
9月の数字は、ワイン消費全体の回復を示すものではない。むしろ、一部のカテゴリーが他を上回る、選別色の強い市場を示している。こうした状況のなか、メンドーサの出荷の底堅さと白ワインの好調が、2026年のアルゼンチンのワイン取引における最も顕著な動きとなっている。