9月末のイタリアワイン在庫、14.2%増の4,104万ヘクトリットル
夏場の在庫減少が前年より緩やかで、イタリアのワイナリー在庫は前年同期を509万ヘクトリットル上回った。DOP・IGP白ワインで増加が目立つ。
2026年10月31日(土)

イタリアのワイン在庫は9月30日時点で4,104万ヘクトリットルとなり、前年同期の3,595万ヘクトリットルから14.2%増加した。農業省のワイン不正監視機関ICQRFが発表した最新の「Cantina Italia」報告書で明らかになった。
10月30日(金)に公表されたデータによると、夏場のワイナリー在庫の減少ペースは2025年に見られた水準に届かず、6月時点から在庫が減ったにもかかわらず、前年との差は拡大した。イタリアのワイナリーの在庫は6月30日時点で4,652万ヘクトリットルで、四半期中に548万ヘクトリットル(11.8%)減少した。2025年の同じ6~9月期には、在庫は766万ヘクトリットル(17.6%)減っていた。
季節的な減少が緩やかだったため、事業者が保管するワインの量は9月30日時点で2025年同期を509万ヘクトリットル上回った。6月末時点での前年同期との差は291万ヘクトリットル、6.7%だった。
ICQRFによると、この報告書は約23,600件の電子ワイン台帳に基づいている。台帳の記帳義務がある事業者が保管するワインの量を集計しているが、すでに販売されたワインと未販売のワインは区別していない。そのため、このデータが示すのは実在庫の状況であり、需要、輸出、消費を直接測るものではない。
それでも、在庫水準は供給計画、ブドウやバルクワインの調達、保管コスト、キャッシュフローに影響する可能性があるため、飲料業界全体で注目されている。市場の需給が逼迫する兆候を早期に捉える手掛かりにはなるが、販売不振の証拠として単独で解釈すべきではない。
主要なワイン区分はいずれも、6月から9月にかけて前期比で減少した。原産地呼称保護(DOP)ワインは2,552万ヘクトリットルから2,329万ヘクトリットルへ8.7%減少。地理的表示保護(IGP)ワインは1,213万ヘクトリットルから1,038万ヘクトリットルへ14.4%減った。テーブルワインなどその他の区分は809万ヘクトリットルから667万ヘクトリットルへ17.6%減少した。
一方、2025年9月との比較では、主要区分すべてで在庫が増加した。DOPワインは265万ヘクトリットル(12.8%)増加。IGPワインは140万ヘクトリットル(15.6%)増えた。テーブルワインなどその他の区分は16.1%増の667万ヘクトリットルとなった。品種表示ワインは20.2%増え、約69万8,000ヘクトリットルに達した。
年間増加分の大半を白ワインが占めた。DOP白ワインの在庫は23.7%増の1,044万ヘクトリットル、IGP白ワインは34%増の410万ヘクトリットルとなった。この2区分を合わせると、前年からの増加量は304万ヘクトリットルで、ワイン在庫全体の増加分の約60%に相当する。対照的に、DOP赤ワインとIGP赤ワインはいずれも5.4%増にとどまり、それぞれ1,213万ヘクトリットル、587万ヘクトリットルとなった。
報告書では、醸造の初期段階にある製品の大幅な増加も示された。9月のぶどう果汁(マスト)の在庫は1,282万ヘクトリットルで、前年同期の852万ヘクトリットルから50.5%増加した。発酵中の新酒は885万ヘクトリットルとなり、前年の459万ヘクトリットルから92.8%増えた。
ワイン、マスト、発酵中の新酒を合わせた量は6,271万ヘクトリットルだった。2025年9月を27.8%、2026年6月を24.7%上回った。この合計には製造の異なる段階にある製品が含まれ、収穫時期や醸造の進捗に大きく左右されるため、完成ワインの在庫だけを対象とする数値とは直接比較できない。
イタリアのワイン在庫の57.7%は北部に集中していた。最大の在庫を抱える地域は引き続きヴェネト州で、1,021万ヘクトリットルと全国の24.9%を占めた。トスカーナ州が509万ヘクトリットルで続いた。エミリア=ロマーニャ州とプーリア州はそれぞれ約391万ヘクトリットル、ピエモンテ州は373万ヘクトリットルで、イタリア全体の在庫の9.1%を占めた。
ピエモンテ州のワイン在庫は6月から285,195ヘクトリットル減少し、減少率は7.1%と全国平均を下回った。原産地呼称ごとの動きは異なった。Baroloは550,359ヘクトリットルから522,038ヘクトリットルへ5.1%減少。Barbera d’Astiは388,348ヘクトリットルから350,230ヘクトリットルへ9.8%減った。Astiは逆に増加し、151,283ヘクトリットルから158,513ヘクトリットルへ4.8%伸びた。
全国では、Proseccoが331万ヘクトリットルと最も多い在庫を抱える原産地呼称となったが、6月から14%減少した。Conegliano Valdobbiadene Proseccoは異なる動きを見せ、702,642ヘクトリットルから734,951ヘクトリットルへ4.6%増加した。
9月のデータは、通常の季節的な在庫減少があったものの、その減少量は前年ほど大きくなかったことを示している。生産者、取引業者、飲料業界全体の買い手にとって、イタリアは2025年より在庫を多く抱えた状態で秋を迎えることになる。特にDOPとIGPの白ワインで在庫が厚い。