発酵液の度数引き上げでスコッチウイスキーの排出量16%削減も、研究

Heriot-Wattの研究チームは、蒸留前に発酵液の度数を14%に高めることで、廃液量も減らせると推計した。

2026年10月15日(木)

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発酵液の度数引き上げでスコッチウイスキーの排出量16%削減も、研究

Heriot-Watt Universityの研究者は水曜日、スコッチモルトウイスキーの生産者が、蒸留に回す発酵液のアルコール度数を高めることで、エネルギー使用量と炭素排出量を削減できると発表した。研究チームの推計では、この変更により純アルコール1リットル当たりの排出量を最大16%削減できる可能性がある。

この研究は、同大学のInternational Centre for Brewing and Distillingに所属するShiwen Zhuang博士が主導し、Journal of the Institute of Brewingに掲載された。研究者によると、業界標準であるアルコール度数約8%の発酵液を10~14%に高めた場合、スコッチモルトウイスキーの生産効率と環境負荷にどのような影響があるかを測定した初の研究だという。

ウイスキー製造における発酵液(ウォッシュ)は、麦芽汁と呼ばれる糖分を含む穀物由来の液体を酵母で発酵させてできる、ビールに似た液体だ。これを初留釜(ウォッシュスチル)に送り、蒸留の第一段階でアルコールを濃縮し、風味の形成を始める。Heriot-Wattによると、研究者は商業規模の発酵と、スコッチモルトウイスキーに伝統的に用いられる2回のポットスチル蒸留を反映するモデルを使用した。

このモデルでは、発酵液のアルコール度数を14%にすると、純アルコール1リットル当たりのエネルギー需要と炭素排出量がともに約16%減少した。研究者はまた、初留後に残る液体であるポットエールの量を55%、2回目の蒸留後に残る液体であるスペントリーズの量を30%超削減できる可能性があるとした。

こうした削減が重要なのは、蒸留が酒類製造のなかでも特にエネルギーを大量に消費する工程の一つだからだ。発酵液の度数が高ければ、より少ない水とともに多くのアルコールを蒸留器に投入できるため、同量の蒸留酒を造るのに加熱・処理する液体の量を減らせる。残液量が少なくなれば、蒸留所での取り扱いや輸送、処理の負担も軽減できる可能性がある。

この研究は、スコッチウイスキー業界がネットゼロ目標の達成に取り組み、生産量を減らさずに設備の効率を高める方法を探るなかで発表された。Heriot-Wattによると、発酵度数の引き上げは、複数の操業上の利点をもたらす可能性がある。既存の蒸留所は発酵設備を拡張せずに生産量を増やせる可能性があり、新設または拡張中の施設では、より小規模な設備と少ない処理量で同量のウイスキーを生産できる可能性がある。

Zhuang博士は大学の発表で、発酵液の度数を高めることで環境面と操業面の利点が得られることが研究で示されたと述べた。共著者のJane White博士は、ポットエールとスペントリーズの量が減れば、取り扱い、輸送、処理にかかる費用を抑えられるうえ、これらの副産物から回収可能な有用成分の濃度を保てるため、経済的なメリットも期待できるとした。

研究者はまた、この手法を業界全体で広く導入できる段階には至っていないと述べた。発酵可能な糖の量を増やすには糖化工程の変更が必要となる可能性があり、発酵度数の引き上げが酵母の働きや風味の形成、生産工程全体に及ぼす影響についても、さらなる研究が必要だという。蒸留酒の個性や生産の安定性を損なわずに大規模導入できるかを判断するには、こうした点の検証が重要だと研究チームは述べている。

この不確実性は、効率を高める変更であっても、品質やスタイルに影響する場合には抵抗に直面しかねないウイスキー製造にとって重要な課題だ。その影響はスコッチにとどまらない。醸造や蒸留を含む飲料業界全体で、生産者は燃料使用量、排出量、廃棄物の削減を求められている。エネルギーを多く使う後工程に進む前にアルコール収率を高める工程変更は、運転コストと環境負荷の低減に役立つ可能性があるが、商業生産の条件下で製品の品質が維持されることが前提となる。

Heriot-Wattは、モデルで示されたエネルギー、炭素、資源の削減効果が実際に確認できるかを検証し、発酵度数の引き上げが蒸留酒の品質に及ぼす影響を調べるため、新たな博士課程プロジェクトを開始すると発表した。次の研究段階に進むことから、現時点の結果は、産業規模での導入実証ではなく、可能性を示す有力な指標として捉えるべきだ。

この研究はZhuang、White、Chris Boulton教授が実施した。同大学によると、今回の研究は、提案中のCentre for Brewing and Distillingを通じて醸造・蒸留業界の長期的な持続力を支援する、同大学のより広範な取り組みにも沿うものだ。同センターは企業、研究者、学生を結び付け、新技術の検証と資源効率の向上を目指している。

スコッチウイスキーの生産者にとって、この研究の当面の意義は、蒸留所が生産量を守りながら脱炭素化を迫られるなか、排出量を削減するための定量的な道筋を示したことにある。飲料業界全体にとっても、生産効率の向上を新たな燃料や設備だけでなく、工程の早い段階で変更を加え、後工程で必要となる原料やエネルギーを減らす方法からも探る研究の蓄積に、新たな知見を加えるものだ。

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