ハイネケンの調査、欧州の観光客は同社のビールに年間約25億ユーロを消費
ハイネケンによると、地元のバーやパブが観光客の訪問先や滞在期間に影響している。
2026年10月6日(火)

ハイネケンは火曜日、同社が委託した調査で、欧州の観光客が同社のビールに年間約25億ユーロを消費していることが分かったと発表した。バー、パブ、カフェ、タベルナが、観光客の訪問先や滞在期間を左右する度合いが高まっているという。
アムステルダムに本社を置く同社は、WebWireを通じて調査結果を公表し、この推計は欧州全域で同社のビール製品に関連する観光由来の消費支出を経済分析したものだと説明した。ハイネケンによると、この支出額は観光客が毎日購入するビール約200万本分に相当し、同地域で同社が支えるGDPへの貢献額全体の7%を占める。
調査は2種類のデータを組み合わせている。ハイネケンによると、コンサルティング会社Steward Redqueenは、2025年の財務、調達、雇用、商業データと公式の経済統計を用いて、欧州における同社の経済的影響を分析した。対象は欧州29カ国で、ハイネケンの事業展開市場21カ国と、輸出のみを行う市場8カ国が含まれる。また同社は、OnePollが2026年8月21日から9月2日に実施した消費者調査も引用した。この調査は、英国、ポルトガル、アイルランド、スペイン、オランダ、ギリシャ、ポーランド、オーストリア、イタリア、ベルギー、チェコの11市場で、法定飲酒年齢に達した成人1万1,000人を対象に行われた。
ハイネケンが公表した調査結果によると、回答者の35%が、地元のバーやパブを訪れることを目的に特定の地区へ足を運んだことがあると答えた。また20%は、そうした店があったため旅行を延長したと回答した。同社によると、観光客の77%は、直近の欧州旅行中に地元のパブ、バー、カフェ、タベルナを複数回訪れていた。
調査は、旅行におけるホスピタリティ施設のより広い文化的役割も示している。ハイネケンによると、回答者の73%は、地元の人々が交流する場所で過ごすと、その土地をより深く理解できるとの考えに同意した。また74%は、そうした施設では、ほかの場所では再現しにくい、意義ある対面での交流が生まれると答え、52%は、そうした場所で知らない人と会話を始めた経験があると回答した。
ハイネケンはこれらの結果を、年間約8,280億ユーロの観光消費を生み出す欧州の観光経済全体と結び付けた。同社は、地域の施設が旅行者を定番の観光エリアの外へと誘い、地域社会へ足を運ばせることで、ホスピタリティ事業者や雇用を支えるとともに、訪問者に日常生活をより身近に感じる機会を提供すると主張した。
飲料業界にとって、今回の数値は、観光、店内飲食を伴うホスピタリティ、ビール需要の結び付きを金額で示す点で重要だ。調査が示す傾向がより広く当てはまるなら、旅行者の多い都市や地域で、醸造会社、バー、流通業者がマーケティングや店舗との連携、投資を計画する際に影響を及ぼす可能性がある。また、特に地元のバーやカフェが観光経済の一部を担う地域では、ホスピタリティ事業者を支援する公共政策を求める業界団体の主張を後押しする材料にもなり得る。
同社の発表には、ハイネケンの欧州担当プレジデント、Glenn Catonのコメントが掲載された。同氏は、観光は欧州にとって重要であり、活気あるパブ、バー、カフェ、タベルナが、都市や地域を訪れる価値のある場所にしていると述べた。こうした施設は旅行者を地域社会へ呼び込み、雇用や事業を支えるとともに、従来の観光ルートの先へ足を延ばす理由を旅行者に与えるという。
調査と併せて、ハイネケンはMagnum Photosとの写真プロジェクト「Europe’s Living Rooms」を発表した。欧州各地のパブやバー11軒を取り上げたシリーズで、European Beer Monthに合わせて公開される。同社によると、このプロジェクトは、ロンドンの仕事帰りの集まりから、オランダの運河沿いでの会合、マドリードのサッカー観戦に集う人々まで、地域の施設を形づくる人々や日常の習慣、交流を記録することを目的としている。
Magnum Photosの最高執行責任者Marine Mérindolは、写真家たちは場所だけでなく、そうした空間に意味を与える人々や繰り返される習慣にも焦点を当てたと述べた。同社の発表で同氏は、地元の施設が人々のつながりをどう生み出すか、またドキュメンタリー写真によって、通り過ぎるだけの旅行者には見落とされがちな観光の一面をどう捉えられるかを記録することが狙いだったと説明した。
この発表は、醸造会社やホスピタリティ事業者が、体験を重視する消費や店内販売の価値により注目している時期に行われた。世界最大級の醸造会社であるハイネケンは、ビールとサイダーのブランドを340以上擁し、70カ国以上で事業を展開している。ビールが地域のアイデンティティや社交と今も密接に結び付いている欧州では、観光消費がどのように分配されるのか、また地域のホスピタリティ事業者が飲食物の直接販売を超えて地域経済にどう貢献するのかをめぐる幅広い議論に、今回の調査結果が加わる可能性が高い。
今回の数値はハイネケンが委託した調査に基づき、同社の発表を通じて公表されたものであるため、独立した公的統計ではなく、企業が裏付ける推計として受け止める必要がある。それでも、このデータは、大手醸造会社が欧州のホスピタリティ施設の商業的・文化的重要性をどう測っているか、また、そうした施設が一杯の注文にとどまらない形で旅行先の選択にどう影響し得るかを詳しく示している。