フランスの成人がワイン遺産に見いだす価値は120億ユーロ、デロイト調査

ワイン業界団体の委託調査で、回答者の86%がワインはフランスの文化的アイデンティティの一部だと回答。

2026年10月7日(水)

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デロイトがワイン業界団体Vin & Sociétéの委託を受けて実施した調査によると、フランスの成人は、同国のワイン遺産の強化に総額68億ユーロ、保全に52億ユーロを充てる意思があるという。同団体はこの結果を、ワインがフランスで、飲酒習慣や経済的な存在感を超えて価値を認められている証拠として示している。

Vin & Sociétéが公表したこの調査は、経済学で「非利用価値」と呼ばれるもの、すなわちワインを消費するかどうかとは関係なく、その存在や継承、文化的意味に人々が見いだす価値の測定を試みた。デロイトによると、回答者が遺産の強化に拠出する意思を示した金額は、1人当たり平均123ユーロ、保全については94ユーロだった。

この調査は、フランスのワイン業界が経済的重要性と並んで文化的役割を強調し続けるなかで実施された。Vin & Sociétéによると、同業界の売上高は920億ユーロで、直接・間接雇用を44万人支え、年間約1,200万人のワインツーリストを呼び込んでいる。今回の調査は別の価値、すなわちフランスのアイデンティティや共有される慣習、ノウハウの一部として、ワインに市民がどれほどの価値を見いだしているかを推計する目的で設計された。

デロイトはワイン遺産を3つの側面に分けた。ワインに関わる知識や技術、共に過ごす時間に結び付いた親睦や社会的つながり、そして文化的継承と国際的な影響力である。最後の項目には、フランスのアイデンティティにおけるワインの位置付け、世代間の継承、海外でのフランスのイメージに果たす役割が含まれる。

最も重要な側面を尋ねたところ、回答者の70%が親睦や社会的つながりを挙げ、文化的継承と影響力(53%)、ワインに関する知識(27%)を上回った。しかし、金銭的な拠出を伴う選択を求めると、順位は変わった。金額換算で最も高く評価されたのは文化的継承と影響力で、回答者は保全に1人当たり38ユーロ、強化に62ユーロを充てる意思を示した。親睦や社会的つながりは保全が33ユーロ、強化が18ユーロ、知識と知的な豊かさは保全が23ユーロ、強化が42ユーロだった。

調査では、幅広い人口層で支持が見られた。デロイトによると、年齢、性別、社会経済的な属性によって、ワイン遺産に見いだす価値に大きな差はなかった。居住地による影響は一部に見られたものの、全体的な傾向を覆すほどではなかった。ワイン産地の居住者は、遺産の保全に平均111ユーロを充てる意思を示したのに対し、その他の地域の居住者では82ユーロだった。

調査結果は、ワイン遺産への愛着が、ワインを飲む人に限られないことも示唆している。調査によると、非飲酒者の75%がワイン遺産の少なくとも1つの側面に価値を認め、47%はフランスワインが海外で評価されると誇りを感じると答えた。全体では、回答者の86%がワインはフランスの文化的アイデンティティの一部だと答えた。

デロイトとVin & Sociétéは、フランスの結果を、他の文化的・自然的なランドマークを対象とした海外の調査とも比較した。今回の調査で測定された平均支払意思額は、イタリアのコロッセオ(1人当たり60ユーロ)、オーストラリアのグレートバリアリーフ(55ユーロ)、コロンビアのコーヒー文化的景観(38ユーロ)について報告された金額を上回るという。調査に協力したAgroParisTechの環境経済学教授、Maia Davidは、フランスの結果は、同種の遺産評価に関する学術文献で示された平均57ユーロを上回っていると述べた。

ただし、評価対象となる遺産の性質や求められる拠出、調査対象者は調査ごとに異なるため、海外との比較はあくまで参考値にすぎないと、調査は指摘している。フランス国内の調査も、実際の支出額を測定したものではない。仮定のシナリオにおける、拠出する意思を測定している。

調査とともに公表された方法論によると、デロイトはフランス本土の成人2,040人を対象に調査を実施した。18歳以上の全国人口を代表するサンプルとして構成された。女性はサンプルの52%を占め、平均年齢は50歳、ワイン産地の居住者は41%、ワインを飲むと答えた人は85%だった。

参加者はまず、評価対象となる概念について共通の理解を促すことを目的とした説明動画を2本視聴した。その後、ワイン遺産の3つの側面が損なわれた状態、中間的な状態、改善された状態となる仮想シナリオについて、8回連続の選択課題に回答した。各シナリオには、専用基金への寄付として0〜40ユーロの拠出額が設定された。デロイトはその後、計量経済学的モデリングを用いて各属性に付された価値を推計した。本調査に先立ち、62人を対象とした予備調査も実施された。

調査はDeloitte Franceのエコノミスト、Olivier Sautel、Liesbeth de Fossé、Liza Trambouzeが実施し、Davidの学術的協力を得た。また、人類学、ワイン史、博物館・文化プログラムの専門家を含む科学委員会が参加した。フランスのワイン生産・取引部門の地域間職業団体21団体と全国組織7団体を代表するVin & Sociétéは、販売、輸出、観光にとどまらないフランス社会におけるワインの位置付けを、より詳しく記録するために調査を委託したと説明した。

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