RNDCの撤退で米国の酒類流通が再編

ビール卸売業者によるRNDC市場の買収が相次ぎ、ワイン、スピリッツ、RTD飲料へと広がるカテゴリー横断の動きが加速している。

2026年10月6日(火)

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大手卸売業者がビール、ワイン、スピリッツのいずれかに限られていた従来の事業領域を越え、複数カテゴリーにまたがる幅広いポートフォリオを築くなか、米国の酒類流通業界が再編されつつある。Republic National Distributing Companyが複数州で事業の売却を始め、破産を申請したことで、この動きは加速した。

その変化がとりわけ鮮明に表れているのが、RNDCの資産をめぐる争奪戦だ。ビール卸売業者は特に活発な買い手となっており、米国最大級のワイン・スピリッツ卸売業者の一社が長年支配してきた市場に参入している。全米ビール卸売業者協会(National Beer Wholesalers Association)の会長兼最高経営責任者(CEO)、Craig Purser氏は、RNDCが事業を縮小するなか、商品の小売店への供給に大きな混乱が生じないよう、より広範なビール流通網が動いたと述べた。

RNDCがかつて事業を展開していた市場を取得した企業には、Reyes Beverage Group、Quality Brands、Columbia Distributing、Morales Beverage Group、Manhattan Beer & Beverageがある。最大の動きは、シカゴに本社を置く米国最大のビール卸売業者Reyesによる買収だった。同社は昨年、11市場を対象とする取引でRNDCの事業の大部分を取得した。対象市場の売上高は合計50億ドルを超えた。この拡大により、Reyes Beverage Group Spirits and Wineは米国のワイン・スピリッツ卸売業者で3位となり、Southern Glazer’sとBreakthruに続く位置につけた。

Reyesは、この転換をRNDCの経営破綻への一時的な対応ではなく、より広範な戦略の一環と位置付けている。Reyes Beverage Groupの最高経営責任者(CEO)、Tom Day氏は、同社が買収と事業拡大を通じて市場、人員、サプライヤーとの関係、事業運営能力を強化してきたと述べた。全社的に「カテゴリーへの精通」を高め、「トータル・ビバレッジ」戦略を実行できる体制の構築を進めているとし、それを支える技術、インフラ、人材にも新たに投資しているという。

同様の動きは、ワイン・スピリッツ事業側でも進んでいる。国内最大のワイン・スピリッツ卸売業者であるSouthern Glazer’sは7月、2027年初めに社名から「Wine & Spirits」を外すと発表した。商業営業部門の社長、Mark Chaplin氏は、同社の事業がすでに従来の中核領域を大きく越えていることを反映した変更だと説明した。ビール、RTD製品、ノンアルコール飲料が変更の主な理由だとする一方、ワイン・スピリッツの中核事業から撤退するわけではないと付け加えた。

同社によると、Southern Glazer’sのビール売上高はすでに年間10億ドルを超えている。同社は買収を通じて、この分野での存在感を高めてきた。昨年はAnheuser-Buschのニューヨーク市内の流通事業を買収することで合意し、マンハッタン、クイーンズ、スタテンアイランド、ブロンクスを対象とするSouthern Glazer’s Beverage Company of New Yorkを設立した。今年はさらに、ロングアイランドのClare Roseと、コロラド州のEagle Rock Distributing Companyを取得する取引をまとめた。Chaplin氏は、従来の事業で培ったデジタルツールや営業技術を新たに買収した事業に導入することが、同社の主要な優先課題の一つだと述べた。

他の卸売業者も事業領域を広げている。マサチューセッツ州では先月、Martignetti Companiesが、同州中部・西部を拠点とする4代続く同族経営の卸売業者Girardiを、非公表の金額で買収することで合意した。GirardiはAnheuser-Buschの製品群のほか、ビール、ワイン、スピリッツの各種ブランドを取り扱っている。今秋の完了を見込むこの取引について、Martignettiは、ワイン、ビール、スピリッツ、RTD製品を含む、より幅広い酒類をニューイングランドの顧客に提供するという目標を後押しすると説明した。この取引が成立すれば、Martignettiによるマサチューセッツ州のビール流通事業の拡大は近年で3件目となる。2024年にはQuality BeverageとAB One Bostonの事業を取得している。

Breakthru Beverageも同じ方向に動いている。2022年にミネソタ州でJ.J. Taylorを買収したことで、ビール事業での存在感が高まり、総合的な飲料事業の基盤も広がった。今年、BreakthruはRNDCがケンタッキー州とインディアナ州で持つ事業の取得を計画していたが、8月に提案されていた取引から撤退した。その後、Keg 1 River Cityがケンタッキー州の資産について買収契約を結び、Morales Beverage Groupはインディアナ州の事業を取得する意向書に署名した。

ビール、ワイン、スピリッツ、RTDカクテル、ノンアルコール飲料の間にあった流通上の明確な境界が薄れつつある。何十年もの間、多くの卸売業者は単一カテゴリーを軸に事業を築き、営業部隊、倉庫システム、サプライヤーとの関係も分けてきた。今では事業規模、物流、小売業者の需要、消費者の嗜好の変化を背景に、複数種類の商品を同じトラックで運び、同じ営業組織が扱える幅広いポートフォリオへと業界が向かっている。

生産者、輸入業者、ブランドオーナーにとって、この変化は米国市場へのアクセスに大きな影響を及ぼす可能性がある。卸売業者が取り扱いカテゴリーを増やし、より多くの地域を傘下に収めるにつれ、ビール、ワイン、スピリッツなどを一括して扱える少数の大手企業と取引するサプライヤーが増える可能性がある。ブランドによっては、販売網が広がり、営業支援がより一体化する一方、商業上の関係が少数の卸売業者に集中することにもなる。

小売業者もこの変化の影響を受けるだろう。ビール、スピリッツ、ワイン、RTD製品を扱う大手卸売業者であれば、一社との取引を通じて、店舗や飲食店により幅広い商品群を提供できる。同時に、卸売業者の規模拡大は交渉力学を変える可能性があり、買収によって主要企業の数が限られる市場では、とりわけ影響が大きくなりうる。

今回の買収の波は、主にRNDCの撤退による混乱をきっかけに生じたが、業界幹部らは一時的な対応ではなく、より長期的な再編の一環だと説明している。買収を進める企業は、地域やブランドの販売権だけでなく、複数カテゴリーにまたがる営業を支えるシステムにも投資している。これには、営業現場向けソフトウェア、集中管理型のデジタルプラットフォーム、より幅広い商品を扱えるよう設計された倉庫・配送網が含まれる。

その結果、米国の流通網は市場ごとに塗り替えられている。ビール卸売業者はワイン・スピリッツの流通業者となり、ワイン・スピリッツ卸売業者はビール事業を拡大している。地域に根差す同族経営の事業者は、全国規模の企業に対抗するため買収を活用している。こうした境界がさらに曖昧になるにつれ、ワイン、ビール、スピリッツ、新興の飲料カテゴリーが店舗、バー、レストランに届く仕組みも変わりつつある。

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