ラファエル・ナダルがワイン事業に参入、「El Tenista」を発売

Viñas Familia Gilと手がける限定赤ワインは、フミーリャで再生された樹齢50年のモナストレルから造られる。

2026年10月14日(水)

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ラファエル・ナダルがワイン事業に参入、「El Tenista」を発売

ラファ・ナダルが、新ブランド「El Tenista」の立ち上げを通じてワイン事業に参入した。元スペインのテニス選手であるナダルは、このプロジェクトはスペイン有数のワイン生産グループ、Gil家との長年にわたる関係から生まれたと語った。

ナダルは今週、ソーシャルメディアで新たな事業を発表し、ムルシア州南東部フミーリャを拠点とするワイナリーグループ、Viñas Familia Gilと時間をかけて築いてきた共同プロジェクトだと説明した。グランドスラムのシングルスで22度の優勝を誇るナダルは、このワインには努力、継続性、日々の仕事を重んじる共通の考え方が反映されていると述べ、そうした価値観を会社を率いる家族と共有していると語った。

「とりわけわくわくするプロジェクトがありますが、これはその一つです」とナダルはInstagramにスペイン語で投稿した。El Tenistaの立ち上げに向けてGil家としばらく前から取り組んできたとし、プロジェクトに参加できること、ワイン造りに深い経験を持つ家族から学べることをうれしく思うと述べた。

このワインは、フミーリャで進む、より広範なブドウ畑の再生事業と結びついている。プロジェクトの中心となるのは、放棄される見込みだったものの、生産が再開された古木のモナストレルだ。ブドウ畑は標高約750メートルに位置し、地元メディアによると、樹齢は50年を超える。El Tenistaは、新プロジェクト「Dominio del Liftado」のもとで市場に登場する最初のワインとなる。

生産量は限定される。スペインメディアの報道によると、ブドウの収量は1本の樹当たり約700グラムで、収穫は手作業で行われる。ワイナリーによれば、このオーガニックの赤ワインは新樽のフレンチオーク樽で約18カ月熟成させた後、瓶内でさらに熟成される。生産者が公表したテイスティングノートでは、熟した黒い果実、地中海沿岸の低木林、バニラ、甘いスパイスの風味があり、しっかりとした骨格、柔らかなタンニン、長い余韻が特徴とされている。

ナダルもワイナリーも、発表時点ではブレンドの全容を公表していない。ただ、このワインはフミーリャの伝統品種であり、ムルシア州の乾燥した内陸部のブドウ畑を代表する品種の一つ、モナストレルと密接に結びついている。この地域は、古木の株仕立て栽培と、暑い気候のもとで造られながら、標高の高い場所では昼夜の気温差が大きいワインで知られる。

ナダルにとって今回の参入は、現役引退後に広がってきた事業ポートフォリオに新たな柱を加えるものだ。すでにRafa Nadal AcademyやホテルブランドのZEL、不動産投資に携わっている。新しいワインブランドにより、オーナーやパートナー、ブランドアンバサダーとしてワイン生産に参入する現役・元アスリートの仲間入りを果たす。

Gil家はスペインワイン界を代表する大規模かつ確立された一族で、複数の地域で事業を展開している。フミーリャとの結びつきはとりわけ強く、同社はモナストレルを主体とする同地域のワインを輸出市場で広く知らしめるうえで大きな役割を果たしてきた。こうした経験は、ワイン業界出身ではないナダルとのプロジェクトの中核にあるとみられる。ナダルは、地域のブドウ畑と幅広い販路を持つ既存生産者を軸にした商品に自身の名を冠した。

今回の発表により、ナダルは農村の土地利用や農業の再生に結びついた新たな公的役割も担うことになる。プロジェクトの関係者は、El Tenistaを単なる有名人ブランドではなく、そうでなければ失われかねない古木を守る取り組みとしても紹介している。スペインのワイン産地では、栽培農家が低い収益性や労働環境の変化に直面し、収量の少ない畑をより生産性の高い農業に転換するか、耕作を放棄する圧力にさらされるなか、古いブドウ畑を維持することがますます重要な課題となっている。

こうした背景を踏まえると、プロジェクトの紹介でブドウ畑そのものが強調されている理由が見えてくる。パートナーは新たに植樹するのではなく、上質な赤ワインの産地として知られる地域にある成熟したブドウ樹に焦点を当てた。生産量が少なく、産地との結びつきを打ち出す商品として位置づけられており、ナダルの名はラベルに使われているが、それだけが訴求点ではない。

ナダルは公の発言で価格や大規模な発売計画を明らかにしておらず、ワイナリーの当初の発表も、商業流通よりコラボレーションの経緯と初回生産の詳細に重点を置いていた。スペインやイタリアのメディアは、初回のボトリングを限定版と報じている。ワイン購入者に加え、コレクターやナダルのファンからも関心が集まる可能性がある。

今回の発表は、欧州をはじめ世界各地で有名人がワイン事業に関わる動きが広がるなかで行われた。スペインでは、アスリートがブドウ畑やワイナリーに投資したり、ブランドワインの企画に協力したりする例が増えている。ナダルの参入が際立つのは、世界的な知名度に加え、ゼロから立ち上げた新興事業ではなく、スペインを代表するワイン一族の一つと組んだプロジェクトだからだ。

ナダルはメッセージのなかで、このプロジェクトを個人的な思いとともに語った。Gil家と歩みを共にできることをうれしく思い、多くの人に自分たちと同じようにワインを楽しんでもらえたらと願っているという。パートナーシップのもとで初めて発売されたボトル「El Tenista」は、エリートスポーツ、ライフスタイルブランド、スペインのワイン産業が交わる動きの広がりに加わることになる。

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