イタリアが13.3%減も、欧州の2026年ワイン収穫量は前年並みの見通し

高温を受けて収穫が前倒しされるなか、欧州主要6カ国の生産量は1億2,870万〜1億2,960万ヘクトリットルと予測されている。

2026年10月13日(火)

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イタリアが13.3%減も、欧州の2026年ワイン収穫量は前年並みの見通し

欧州の2026年のブドウ収穫では、大手生産国の間で目立った差があるものの、ワインとブドウ果汁(マスト)の生産量は前年並みとなる見通しだ。各国機関と欧州委員会が公表した推計によると、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ポルトガル、ルーマニアの6カ国の生産量は今年、合計で約1億2,870万〜1億2,960万ヘクトリットルとなる見込み。2025年は1億3,165万ヘクトリットルだった。

この6カ国は欧州のワインとマストの生産量の90%超を占めており、収穫状況は域内の供給見通しを判断するうえで主要な指標となる。数値はまだ暫定的で、来年に集計データが公表されるまで確定しないが、現時点では欧州の生産量はおおむね安定する見通しだ。世界有数のワイン生産・輸出市場を抱える地域だけに、こうした安定は飲料業界の仕入れ計画や価格見通し、在庫管理に影響する可能性がある。

6カ国全体の結果には、イタリアの大幅な減少が他国の増加によって部分的に補われるという構図が表れている。また、欧州の広い範囲で高温となり、ブドウの過熟を避けようと複数の地域で収穫が前倒しされたことも、今年の収穫を左右した。

欧州委員会農業・農村開発総局が10月8日に公表した数値によると、イタリアの2026年のワインとマストの生産量は4,110万ヘクトリットルとなり、前年の4,740万ヘクトリットルから13.3%減少する見込みだ。今年の収穫開始時点で、イタリアはすでに多くの在庫を抱えていた。農業省の「Cantina Italia」報告書(7月31日付)によると、ワインの在庫は4,260万ヘクトリットル、マストは310万ヘクトリットルで、余剰分は6.9%に達していた。

フランスの2026年の生産量は3,490万ヘクトリットルと予測され、2025年の3,440万ヘクトリットルをわずかに上回る。この推計は、フランス農業省の統計局Agresteが10月1日に公表したもので、9月に発表された3,386万ヘクトリットルという当初予測から小幅に上方修正された。フランス当局によると、夏の終わりの降雨でブドウ畑の水分不足が和らぎ、ラングドック・ルシヨンなど一部地域で収量が増加した。

生産量は上方修正されたものの、フランスは依然として近年の歴史的な平均を下回る。Agresteによれば、今年の収穫量は2021〜2025年の平均を下回り、過去30年で最低水準の一つとなる見通しだ。高温、夏季の干ばつ、生産中のブドウ畑面積の2.5%減少が、いずれも生産量を押し下げた。地域による差も大きい。シャンパーニュでは霜、雹、干ばつの影響で生産量が約48%減少する一方、ボルドーでは2025年の不作から10%増えると予測されている。

スペインの今年の生産量は3,400万〜3,490万ヘクトリットルと見込まれ、2025年の3,310万ヘクトリットルを上回る。スペイン農業協同組合連盟は10月1日の業界会合後、収穫量を約3,400万ヘクトリットルと発表した。その数日後の10月5日、農業省は3,430万〜3,490万ヘクトリットルとの予測を公表した。この範囲の上限に達した場合でも、スペインの生産量は4年連続で3,700万ヘクトリットルを下回る。

スペインでは、カスティーリャ・ラ・マンチャ州が引き続き生産の中心となっている。世界有数のワイン生産地域である同州の2026年の生産量は約1,900万ヘクトリットルと予測され、前年の1,930万ヘクトリットルをわずかに下回る見込みだ。スペイン全体に占める割合は約55%となり、2025年の58.3%から低下する。

ドイツ、ポルトガル、ルーマニアも生産増が見込まれている。ドイツ連邦統計局(Destatis)は10月13日に公表した速報値で、今年のワインとマストの生産量を800万ヘクトリットルと予測した。2025年の最終収穫量765万ヘクトリットルに比べ、約40万ヘクトリットル、率にして5%の増加となる。それでも、2020〜2025年の6年間の平均である840万ヘクトリットルを4%下回る見通しだ。

ポルトガルの生産量は670万ヘクトリットルと予測され、前年の590万ヘクトリットルから増加する。同国のワイン関連機関が8月3日に公表した推計は、天候不順で2025年の収穫量が減少した後、約13%回復することを示している。それでも生産量は5年平均を4%下回る見込みだ。増加は複数の主要地域に集中する。ドウロでは25%、アレンテージョ、セトゥーバル半島、トラス・オス・モンテスでは15%の増加が予想されている。一方、主な減少が見込まれるアゾレス諸島では、真菌性病害のため生産量が20%減る可能性がある。

ルーマニアの2026年のワインとマストの生産量は400万ヘクトリットルと予測され、2025年の330万ヘクトリットルを大きく上回る。実現すれば、増加率は21.1%となる。ルーマニアの全国ワイン業界団体によると、夏の終わりに天候に恵まれたことで、ブドウは非常に良好な衛生状態で収穫された。同国の業界専門家は、今年のシーズンを欧州でも特に好調な収穫の一つと評している。

6カ国の合計生産量は、前年の欧州全体の収穫量を下回る。2025年の欧州ではワインとマストが1億4,550万ヘクトリットル生産され、主要6カ国がその90.5%を占めた。この欧州全体の数値も5年平均をすでに7.5%下回っており、2026年に生産量が安定しても、天候の影響と比較的抑制された生産が続いた時期の後であることが分かる。

今年の収穫をめぐる情報発信は、例年より慎重だった。2025年に予測が外れたことを受け、複数国の農業関連機関や生産者団体は今夏、より慎重な姿勢を取り、推計も一斉発表ではなく段階的に公表された。そのため、今後数値が修正される余地は残るものの、大きな傾向は明らかになりつつある。欧州の主要ワイン生産国では、総量は前年に近い収穫となる見通しで、高温や収穫の前倒し、地域間の大きなばらつきが最終結果を左右している。

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