ボルドー、赤ワインのバルク取引に1トノー当たり1,100ユーロの基準価格を設定
販売量の63%を占めるボルドー赤ワインのバルク取引で、生産コストと市場価格を反映した任意の基準価格が導入された。
2026年10月20日(火)

ボルドーのワイン業界団体は、ボルドー原産地呼称の赤ワインのバルク販売について、1トノー当たり1,100ユーロの新たな基準価格を導入した。原産地呼称の主要な販売チャネルで用いられる市場指標に、生産コストの要素を加えたものだ。
フランスの業界紙Rayon Boissonsによると、この指標はConseil Interprofessionnel du Vin de Bordeaux(CIVB)が発表し、2026/2027年の販売キャンペーン開始にあたる10月20日に運用が始まった。対象はボルドー赤ワインのバルク取引で、オーガニックワインは除く。
CIVBによると、この価格は生産コストの平均値とバルク市場価格をそれぞれ50%ずつ加重して算出した。同団体はフランス南西部ボルドーのブドウ生産者とワイン商を代表しており、この指標を業界共通の商取引上の基準として活用することを目指すとしている。
この指標は義務的な最低価格ではなく、実際に成立した取引の価格を示すものでもない。バルク市場での交渉に役立てるための任意の指標であり、同市場では瓶詰めなど、その後の販売工程に進む前に生産者からワイン商へワインが販売される。CIVBによると、バルク販売はボルドー赤ワインの呼称における販売量の63%を占めており、この呼称で最も大きな販売チャネルとなっている。
今回の発表により、ボルドーは、欧州のワイン市場規則の変更で業界団体が価格問題に取り組む余地が広がったことを受け、新たな価格指標の試行を進めるフランスのワイン産地の一つとなった。Rayon Boissonsは、今回の取り組みは、ローヌ渓谷で地域名付きCôtes-du-Rhône赤ワインを対象に最近行われた同様の動きに続くものだと報じた。CIVBによると、ボルドーの新指標はEUのワイン市場規則の枠組みにおける第172条terに基づいて策定された。
生産コストと足元の市場価格を組み合わせるこの指標は、商取引上の基準に生産者の経営実態をどう反映させるかという、フランスのワイン業界内の幅広い議論を映し出している。CIVBが示した算定方法では、ワインの生産にかかるコストとバルク市場の相場を同じ比率で反映しており、取引価格だけに依拠していない。
CIVBの経済委員会の共同委員長を務めるJean-Raymond Clarenc氏はRayon Boissonsに対し、同団体はこの指標を価格を段階的に引き上げる取り組みの一環と位置づけていると語った。また、基準価格は引き続き市場の状況と密接に結びつき、価格動向に応じて変動すると述べた。
CIVBは、この指標をスーパーマーケット事業者を含む業界のすべての関係者に提示するとした。スーパーマーケットはフランスのワイン流通で大きな役割を担う。また、基準価格は定期的に見直す方針だが、更新時期はまだ固定していない。
発表時に直接比較できる過去の数値は公表されていないため、新たな1,100ユーロという水準と比較できる同条件の変動率は算出できない。過去に均質な基準指標がなかったことから、この価格は既存の公式系列からの上昇・下落ではなく、今期のキャンペーンにおける出発点と捉えるのが適切だ。
ボルドーはフランス最大級で、広く知られたワイン産地の一つだ。そのバルク市場の価格は、生産者とワイン商の取引にとどまらず、呼称内の商流の大きな部分に影響するため、重要性が高い。この点で、生産コストを含む基準価格を正式に設けたCIVBの決定は、これまで主に需給やワイン商との交渉によって動いてきた市場分野における注目すべき進展となる。
大規模小売店で販売される飲料を専門に扱い、1993年に創刊したフランスの業界紙Rayon Boissonsは、10月20日に今回の発表を報じた。同紙は、CIVBの新たな価格をキャンペーン開始時の商取引上の目安とし、拘束力のある最低価格ではないと説明した。公式な最低価格制度が厳しく制約され、業界団体が一般に価格を直接設定するのではなく、指針やデータの提供、販促を通じて活動するこの業界では、この違いは重要だ。