ドライ、スイート・ホワイト、スイート・レッドのベルモット:違いと選び方
ドライ、スイート・ホワイト、スイート・レッドのベルモットを、甘さや予想される香り、グラスやカクテルでの使い方から見分けるためのわかりやすいガイドです。

ベルモット選びは簡単そうに見えますが、淡い色のボトルを2本飲み比べると味わいがまったく違ったり、赤いベルモットがグラスの中で予想と大きく異なる印象を与えたりすることがあります。比較するうえで最も役立つのは、格や産地ではなく、スタイル、おおよその甘さ、予想される香り、そして飲み方です。
色ではなくスタイルから考える
ベルモットには共通の基本があります。通常は酒精強化され、甘味を加えたアロマタイズドワインで、植物、花、根、樹皮、スパイスなどを使って造られます。このカテゴリーの特徴となるのが、ニガヨモギなどのヨモギ属の植物です。まずはここを押さえれば十分です。そのうえで大切なのは、ボトルごとの風味の違いです。
色だけではスタイルを見分けられません。ドライ・ベルモットとスイート・ホワイトのベルモットは、見た目がよく似ていても、甘さの程度や香りは大きく異なることがあります。また、赤いベルモットだからといって、必ずしも赤ワインがベースとは限りません。白ワインを使い、レシピに含まれるほかの素材で色をつけている場合もあります。そのため、ボトルの色合いだけで判断せず、まずスタイル名や商品説明を確認するほうが確実です。
産地も、確かな手がかりにはなりません。イタリア産のベルモットがすべて甘口というわけではなく、フランス産がすべて辛口というわけでもありません。どちらの方向にも明確な例外があります。特定の伝統を探るなら産地が参考になることもありますが、グラスの中でどのような味わいになるかを知りたいときは、スタイルの確認に代わるものではありません。
ポイント
色はあくまで大まかな手がかりです。ドライ・ベルモットとスイート・ホワイトは見た目が似ていることがあり、赤いベルモットも白ワインを使って造られている場合があります。
ドライ、スイート・ホワイト、スイート・レッド:グラスの中で何が違うのか
実用的な出発点として、多くのラベルで見分けやすい3つのタイプに分けて考えるとよいでしょう。ドライ、スイート・ホワイト(biancoまたはblancと表記されることもあります)、スイート・レッド(rossoまたはrougeと表記されることもあります)です。この分類は選びやすくするためのもので、品質の順位を示すものではありません。最も役立つ目安は、ドライなら甘さが控えめで、スイート・ホワイトとスイート・レッドはどちらも甘口寄りだという点です。ただし、スイート・ホワイトがすべて同じ味わいというわけでも、スイート・レッドの糖分がすべて同じ程度というわけでもありません。
ドライ・ベルモットは一般に、甘さを控えたい人に向いています。香りには、ハーブ、花、柑橘系のニュアンスが感じられることがあります。あくまで大まかな傾向です。具体例として、Dolinは自社のドライを甘さ控えめと説明し、原材料としてニガヨモギ、バラ、オレンジピールを挙げています。これはスタイルの一例を示すものですが、こうした特徴がカテゴリー全体に当てはまるわけではありません。
白いからといってドライとは限りません。ここでいう「ホワイト」は、主に色合いやスタイル名を指し、糖分が少ないことを保証するものではありません。このタイプには、花や柑橘、バニラを思わせる香りを伴う甘口の味わいが期待できます。WSETはバニラをよくある特徴として挙げており、Dolinはアルプスのハーブ、花、柑橘をイメージしたホワイトを紹介しています。覚えておきたいのは、スイート・ホワイトのベルモットに、必ず備わる特定の香りがあるわけではないということです。
甘口のベルモットを選ぶ際のもう一つの代表的なタイプがスイート・レッドです。スパイス、熟した果実、ほろ苦い柑橘、トースト香などが感じられることがあります。Dolinは自社のレッド・ベルモットについて、プラム、クルミ、シナモンを挙げています。これらはその商品の香りであり、このスタイルに必須の特徴ではありません。色が濃いというだけでは、ベルモットの甘さや、どの香りが前面に出るのかを正確に判断できません。
混同されやすい「甘さ」と「苦味」は、別の要素だという点も押さえておきましょう。甘口のベルモットだからといって、苦味がわずかとは限りません。ベルモットを対象にした官能研究では、実験条件下で糖分が多いほど苦味が感じられにくくなることが示されました。ただし、この関係だけで市販品すべてを分類したり、スタイル全体に順位をつけたりすることはできません。苦味を重視するなら、「スイート」という言葉だけから推測せず、その特徴について具体的に説明されている商品を探しましょう。
選び間違いを防ぐために、2つの点を覚えておきましょう。まず、エクストラ・ドライは糖分が少ないタイプを示しますが、無糖、アルコール度数が高い、あるいは高品質という意味ではありません。次に、rosado、rosé、rosatoという表記だけでは、甘さが中程度だとも、香りが一定だとも判断できません。この場合は、商品名だけでは情報が足りないため、商品説明を確認するのが賢明です。
| 一般的なスタイル | 通常考えられる特徴 | ボトルで確認したいこと |
|---|---|---|
| ドライ | 甘さ控えめ。ハーブ、花、柑橘系の香りが感じられることがある | ドライと明記されているか、香りや苦味がどのように説明されているか |
| スイート・ホワイト / bianco / blanc | 甘口。花、柑橘、バニラの香りが感じられることがある | ホワイトが甘口のスタイル名なのか、単に色を指しているのか |
| スイート・レッド / rosso / rouge | 甘口。スパイス、熟した果実、ほろ苦い柑橘、トースト香が感じられることがある | 色だけでは糖分や香りは定まらないため、具体的な商品説明 |
飲み方に合わせて選ぶ
特定のカクテル用にボトルを選ぶなら、色よりもレシピを参考にするほうが確実です。国際バーテンダー協会(IBA)のクラシックなドライ・マティーニでは、指定されているのはドライ・ベルモットです。このことからも、色の淡いベルモットならどれでも同じように代用できるわけではないとわかります。スイート・ホワイトを使うと、ひと口目からドリンクのバランスが変わることがあります。
IBAのネグローニでは、スイート・レッドのベルモットが基準です。ここでもスタイルが重要で、仕上がりが変わります。別のタイプを使うことは禁止されていませんが、クラシックなバランスを出発点とすることにはなりません。好みに応じてアレンジする余地はありますが、ミキシング用のボトルを買うときは、こうしたレシピが参考になります。
そのまま、または氷を入れて飲む場合は、特定の色にこだわる必要はありません。スイート・ホワイト、ドライ、スイート・レッドなど、さまざまなスタイルで飲まれていることが確認できます。この場合は、普遍的な決まりとされるものより、自分の好みを優先しましょう。甘さを控えたいならドライから試し、甘口が好みなら、ボトルに記載された香りを参考にスイート・ホワイトとスイート・レッドを飲み比べてみてください。
ボトル選びに役立つ3つの質問
1つ目:甘さ控えめがよいですか。それとも、はっきり甘口のものがよいですか。甘さを控えたいなら、まずドライを試し、その方向性の中のより細かな特徴としてエクストラ・ドライを考えてみましょう。甘口のベルモットがよいなら、スイート・ホワイトとスイート・レッドを、普遍的な甘さの段階ではなく、2つの選択肢として比べてください。
2つ目:どのような香りや、どの程度の苦味が好みですか。甘さ控えめで、ハーブ、花、柑橘の香りが気になるなら、まずはドライを試すとよいでしょう。花、柑橘、バニラのような香りを伴う甘口が好みなら、スイート・ホワイトが合うかもしれません。スパイス、熟した果実、またはトースト香にひかれるなら、スイート・レッドを見てみましょう。ただし、これらはあくまで目安です。造り手ごとにレシピが異なるため、色や糖分だけから苦味を確実に予測することはできません。
3つ目:特定のレシピに使うボトルですか。そうであれば、まずレシピで指定されたスタイルを選ぶのが最も確実です。ドライ・マティーニにはドライ・ベルモット、ネグローニにはスイート・レッドのベルモットです。そこからアレンジすることはできますが、何を変えたのかを把握できます。特定のカクテル用ではないなら、色や産地よりも、スタイル名とボトルの商品説明を重視しましょう。
タイプを絞ると迷いはかなり減りますが、それでも個々のボトルの味わいを正確に予測できるわけではありません。ドライ・ベルモットの味わいは一様ではなく、スイート・ホワイト同士が似ているとも限りません。スイート・レッドも、すべてが同じ程度に苦いわけではありません。だからこそ、スタイルは最初の手がかりとして役立ちます。どのラベルも同じ味わいだと約束するものではなく、求めるタイプに近づくための目安です。
決める前に考えたい3つの質問
- 甘さ控えめがよいですか。それとも甘口が好みですか。
- どのような香りや、どの程度の苦味が好みですか。
- ドライ・マティーニやネグローニなど、特定のレシピに使うボトルですか。