Virgin Wines、売上高3.4%増で販売成長を回復
縮小するオンライン飲料市場で顧客獲得を強化したVirgin Winesは、税引前損失150万ポンドを計上した。
2026年10月22日(木)
Virgin Winesは、英国のオンライン飲料市場全体が縮小し、消費者の支出が引き続き圧迫されるなか、直近の会計年度に販売成長を回復したと発表した。
英国のワイン小売・卸売会社である同社の、2026年7月3日終了年度の売上高は6,100万ポンドとなり、前年度比3.4%増加した。同社によると、3年間にわたり既存店ベースの売上高が横ばいだった状況からの増加であり、顧客獲得や商業提携など、成長計画の各分野での進展を反映している。
売上高の増加は利益には結びつかなかった。Virgin Winesは税引前損失150万ポンドを計上し、前年度の税引前利益160万ポンドから赤字に転じた。同社は、将来の成長を支えるための投資を継続したことが、損失に転じた要因だと説明した。
同社の広報担当者は、同社が掲げる4つの戦略的柱全般で進展があったとし、特に新規顧客の獲得を挙げた。Virgin Winesによると、グループ全体で獲得した顧客数は前年比41%増加した。
同社はまた、成長を目指すなかでも支出を規律ある形で管理したと述べた一方、顧客1人の獲得にかかる費用は増加した。顧客獲得コストは前会計年度の13.76ポンドから15.63ポンドに上昇した。
Virgin Winesによると、同社の業績は期間中に縮小したというオンライン飲料市場全体を上回った。これは飲料業界全体にとって重要な動きだ。消費者直販のワイン販売の回復が、依然として一様ではない可能性を示しているからだ。顧客獲得の拡大や緩やかな売上増はブランドの市場シェア拡大に寄与し得るが、マーケティング、物流などの運営コストが高止まりすれば、必ずしも収益性の回復にはつながらない。
最高経営責任者(CEO)のJay Wright氏は、消費環境の厳しさと業界全体でのコスト上昇にもかかわらず、「またも大きな前進を遂げた1年」だったと述べた。売上高の伸びと市場シェアの拡大は、市場全体の傾向とは対照的だったという。
Wright氏はまた、現在進めている投資が成果を上げており、新会計年度を勢いのある状態で迎えたと述べた。中期戦略に自信を持つ理由として、リピーター顧客の増加と、同氏が「強固で無借金」と表現するバランスシートを挙げた。
Virgin Winesによると、会計年度中の成長をけん引した重要な要因の一つが商業提携だった。販売拡大に寄与した取り組みとして、MoonpigやOcadoとの提携を挙げた。同社はまた、英国のスポーツスタジアムへの販売網拡大を目指していると述べた。実現すれば、従来のオンライン販路にとどまらない顧客接点を得ることになる。
今回の発表は、電子商取引への依存度が高い飲料販売業者が直面する圧力を、より明確に示している。販売量や顧客数は伸ばせるものの、そのためにコストがかかることも少なくない。特にワインでは、販促、配送費、顧客獲得のためのマーケティングが利益率を圧迫し得るため、売上高の成長を利益の伸びにつなげるには、規模の拡大や販売網の多様化が必要になる可能性がある。
Harpers Wine & Spiritが引用した報告書では、各成長チャネルが年間売上高の増加にどれだけ寄与したかについて、Virgin Winesは詳細な内訳を明らかにしていない。ただ、同社の説明からは、収益性が悪化するなかでも、提携と顧客獲得が年間業績の中核を担ったことがうかがえる。
売上高が伸びる一方で税引前損失を計上した点は、消費者への販路としてオンラインを活用する生産者、輸入業者、小売パートナーから注目されそうだ。同社の数値は、厳しい市場環境でも需要を立て直せることを示す一方、その取り組みに多額の費用がかかり得ることも浮き彫りにしている。
現時点でVirgin Winesは、今回の会計年度を収益改善ではなく、売上高の回復期と位置づけている。直近の業績は、縮小する市場で売上高を伸ばし、顧客を増やして市場シェアを獲得する一方、その取り組みに伴うコストを負担しながら2027年度に移行する事業の姿を示している。