英国のパブ、9月の売上高が3.8%増とホスピタリティ業界をけん引

業界全体の既存店売上高は5カ月連続で増加し2.7%伸びたが、売上高の伸びは依然としてインフレ率を下回った

2026年10月22日(木)

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英国のパブ、9月の売上高が3.8%増とホスピタリティ業界をけん引

英国では9月、パブ、レストラン、バーの売上高が再び増加し、パブが最も大きな伸びを記録した。ただ、ホスピタリティ業界全体の成長率は依然としてインフレ率を上回っていない。

NIQ RSM Hospitality Business Trackerの最新データによると、業界全体の既存店売上高は2025年9月比で2.7%増加した。8月の前年同月比0.8%増から明確に改善し、5カ月連続の前年同月比増となった。

市場をけん引したのはパブだった。9月の既存店売上高は前年同月比3.8%増となり、ホスピタリティ業界の主要業態で最も高い伸びを記録。2026年に入って2番目に好調な月となった。これを上回ったのは、男子サッカーW杯の影響で営業が活況を呈した7月だけだった。

運営会社が展開するレストランも改善した。売上高は2.6%増となり、NIQとRSMによると、2024年11月以来の好成績だった。一方、バーは前年同月比1.7%減と、依然として市場で最も弱い業態だった。それでも、2025年初め以降で最も良い比較結果となっており、売上高はなお減少しているものの、この業態への逆風が和らぎつつある可能性を示している。

過去12カ月以内に開業した店舗を含む総売上高は、前年同期比6.2%増加した。ロンドン外の売上はロンドン市内をわずかに上回った。首都を囲む環状道路M25の外側では既存店売上高が2.8%増加したのに対し、内側では2.3%増だった。

9月の結果は厳しい時期が続いた事業者にとって一息つける材料となったが、全面的な回復を示すものではなかった。Trackerによると、売上高の伸びがインフレ率に届かない状況が続いているため、ホスピタリティ業界では2025年春以降、実質売上高の増加が確認されていない。つまり、店舗の収入は前年より増えていても、コスト上昇と価格圧力により、実質的な成長には結び付いていない可能性がある。

NIQでホスピタリティ事業者・食品部門を担当するディレクター、Karl Chessell氏は、9月の結果は業界に「切実に必要とされていた自信の回復」をもたらしたと述べた。同月の実績はクリスマスから年末年始にかけての商戦を後押しする可能性があるものの、それには政府が近く発表する予算案が企業と消費者の信頼感を支えることが条件だとした。

RSM UKでレジャー・ホスピタリティ部門の責任者を務めるSaxon Moseley氏も、データは休暇シーズンを前に勢いが強まっていることを示していると述べた。一方で、改善が続くかどうかは予算案で発表される施策にも左右されると警告し、税制、賃金、個人消費に関する決定に業界が依然として大きく影響されることを指摘した。

このデータは、外食や宿泊事業者だけでなく、ビール、ワイン、蒸留酒、ソフトドリンクの主要な販売経路であるパブ、バー、レストランにも関わる。パブの売上増は、今後数週間の業務用飲料市場で需要が底堅く推移する兆しとなり得る一方、バーの低迷が続いていることは、同じ販売経路の一部がなお圧力を受けていることを示す。事業者がクリスマスの予約や年末の祝賀需要を見据えるなか、9月の動向は、醸造・蒸留業者からワインの流通業者、卸売業者に至るまで、飲料サプライチェーン全体の仕入れ計画を左右する可能性が高い。

9月のデータで特に明確な兆候の一つとなったのは、パブとバーの差だった。パブは、酒類を目的とする客だけでなく、食事をする客や地元の人々の社交の場としても幅広い需要に応える業態の強みを生かした。対照的にバーは、裁量的な深夜の支出への依存度が高い。家計が引き続き支出を慎重に見極めるなか、こうした消費はより影響を受けやすくなっている。

レストランの状況は比較的安定していた。2.6%増という結果は、消費者が外食に支出する意欲を保っていることを示す一方、業界全体のインフレ圧力を相殺できるほどの伸びではなかった。多くの事業者にとって、売上増だけでは不十分ということになる。利益率は、人件費、光熱費、賃料、食材価格に加え、予算案に伴うさらなる税制や賃金の変更にも左右される。

9月は、夏の後から年内最大の祝祭商戦までの間に需要が維持されているかを見極める手がかりとなるため、業界にとって重要な月でもある。この時期に好結果が出れば、事業者は従業員の勤務時間を増やし、在庫の発注を増やし、ホリデーシーズンの販促に一段と投資する可能性がある。ビール、サイダー、ワイン、蒸留酒の供給業者にとって、パブの業績改善は季節需要の拡大見通しを支える材料となり得る。ただし、インフレ率がなお業界の成長率を上回っていることから、市場は全面回復ではなく、依然として不安定な状態にある。

このデータからは、ホスピタリティ事業者が夏の終わりよりも堅調な売上動向を背景に年末の四半期に入る一方、消費者信頼感、政策決定、コスト上昇が、勢いを維持できるかどうかを左右する環境に引き続き直面していることがうかがえる。

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